「兄と比べられている以上は…」 尚弥との差、完勝でも痛感させられた井上拓真の心境
周囲の「まだまだ」の目、拓真「それは百も承知」
WBAスーパー&IBF世界バンタム級王者の兄・尚弥は、言わずと知れた世界最強ボクサー。拓真は「兄と比べられている以上、そこ(倒しきること)では兄にはまだまだだと痛感しています」と周囲の目と課題も理解している。KOを量産し、日本史上最高と称されるモンスターと比較されるのは酷かもしれない。だが、ずっと背中を追いかけながら「自分のスタイルを確立させたい」とモチベーションにしてきたのも確かだ。
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今回はこれまでより1階級上の試合。「相手が大きい分、スタミナを使うけど、最後までもった。パンチ力でも階級の差は感じなかった。前より力の乗ったパンチも打てている」とパワーアップを実感した。大橋会長によると、いい感覚を持ったまま主戦場をバンタム級に戻す方針。現在の世界ランクは同級でWBO6位、WBCとIBFで8位につけているが、兄が4団体統一を狙っている階級のため、拓真の世界挑戦はさらに先となりそうだ。
「今のビジョンは兄弟世界チャンピオンになること。周りの『まだまだ』という雰囲気は伝わってくる。それは百も承知なので頑張っていきたい」
包み隠さず心境を語った25歳。一歩ずつ、自分の色を加えながら世界王者を目指す。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)