メドベージェワが泣いた日 重圧と闘った18歳の涙 海外感動の輪「君は史上最高だ」
離脱中、母国の出場問題でスピーチ…競技以外でも国のために闘い、背負ったもの
入れ替わるように現れた彗星が、同門の後輩ザギトワだった。GPシリーズ、ファイナル、ロシア選手権も無敗で制覇。メドベージェワの復帰戦となった欧州選手権では後塵を拝した。焦り、不安。様々な感情があっただろう。何よりも勝たなければいけない重圧を背負いながら五輪でも女王らしい美しい演技で世界を魅了した。
大会前には国家ぐるみのドーピング疑惑で参加禁止問題が浮上。故障で戦線離脱中の身ながら、12月のIOC理事会に選手として唯一、出席した。「オリンピックは夢なのです。私にも同じチャンスをください!」と魂のスピーチで訴えた。競技以外でも国のために闘い、18歳の身に背負ってきたものは、一人の選手としてのそれを超えていた。
優勝したのは同門のザギトワだった。銀メダルが確定し、涙を流した後で金メダルの後輩を抱き締め、祝福した。金メダルには届かなかった。しかし、メドベージェワが背負い、闘ってきたものは、メダルの色には変えられないものがある。若き18歳が五輪という大舞台で世界のファンを魅了したことは、紛れもない事実だ。
(THE ANSWER編集部)