初V堀琴音「辞めたくても辞められなかった」 シード喪失の「絶望」から復活への軌跡
女子ゴルフの国内ツアー、ニッポンハム・レディスは11日、北海道・桂GC(6763ヤード、パー72)で最終日が行われた。首位と2打差の2位で出た25歳の堀琴音が5バーディー、ボギーなしの67。通算14アンダーで並んだ若林舞衣子とのプレーオフを制し、プロ8年目で悲願の初優勝を挙げた。姉・奈津佳も通算2勝を挙げており、福嶋浩子、晃子に次ぐ2組目の姉妹優勝となった。
ニッポンハム・レディス最終日
女子ゴルフの国内ツアー、ニッポンハム・レディスは11日、北海道・桂GC(6763ヤード、パー72)で最終日が行われた。首位と2打差の2位で出た25歳の堀琴音が5バーディー、ボギーなしの67。通算14アンダーで並んだ若林舞衣子とのプレーオフを制し、プロ8年目で悲願の初優勝を挙げた。姉・奈津佳も通算2勝を挙げており、福嶋浩子、晃子に次ぐ2組目の姉妹優勝となった。
堀はウィニングパットを決めた後は両手を突き上げてガッツポーズ。すぐに大粒の涙を流し、ギャラリーの拍手に応えた。「苦しかった思い出がこみ上げてきた。頭が真っ白になって泣いてしまいました。周りの方々が前向きな言葉をかけてくださったので今があると思います」。プレーオフは3ホール目で若林がボギー、堀がパーでの決着だった。
「凄い緊張した。今できるのは少しでも深呼吸して落ち着くこと。日頃からやっていることだったので、やっていてよかった。最後はパーで勝つことがこんなに難しいことなんだと思ったし、体がフワフワしている感じがあった。最後まで気持ちだけは強く持っていた。今日はワクワクした気持ちでいっぱいでした」
柏原明日架、永峰咲希らと同じ1995年度生まれの25歳。実力者が多く「華の14年プロテスト合格組」として期待されたが、同期が活躍する一方で優勝にあと一歩届かない試合が多かった。2016年は賞金ランク11位に入るなど活躍。しかし、18年は同114位でシード権を喪失し「絶望しかなかった。この世の終わりくらいの気持ち」。ゴルフを辞めようと思った。
「ボールも真っすぐにいかないし、心臓もバクバクして打てない時もあった。力も抜けないし、悪循環ばっかり。じゃあなんでゴルフをやらないといけないんだろうと思った。いざ辞めようと思った時に辞められなかった。凄く悔しいし、このままじゃ私の人生スッキリしない。悔しいことしか残らない。その時に練習している自分がいた」
1998年度生まれの黄金世代やさらに下の世代が台頭。追い抜かれる形となり「簡単そうに優勝している。優勝ってそんなに簡単じゃないのに凄いな」と見ていたが「私は調子が悪い時だったので、自分のゴルフだけを考えていた」と自分の練習に集中した。イップスを疑う時もあったが、コーチは「絶対に違う」と全否定。「その言葉は鮮明に覚えています」と信じ続け、這い上がってきた。
「(プロ転向当初は)早く初優勝して、2勝目、3勝目できると思っていた。思い描いた通りじゃなかったけど、今回みたいな優勝で良かったなと思います。こんなに接戦もなかなかない。一生忘れないと思います。これから複数回優勝していきたいと思います」
姉は急遽生観戦。次は姉に並ぶ2勝目を目標に掲げた。
(THE ANSWER編集部)