羽生結弦ら指導 なぜ、ブライアン・オーサーは“多国籍”の教え子を育てられるのか
五輪3連覇を目指すオーサー氏「私自身も選手の文化に慣れ親しまなければならない」
「指導者として、私自身も選手たちの文化に慣れ親しまなければならない。尊敬、名誉という2つの価値は全ての文化において効果を持つものなのです」
オーサー氏の下には、羽生を含め、アジア、西欧、東欧、北米といった世界から教え子が集まり、生まれ育った文化、伝統はカナダ人の同氏とは異なる。各々のバックボーンをリスペクトし、理解することがトップスケーターをマネジメントする重要なアプローチになると、当代の名伯楽は持論を展開している。
2月に控える平昌五輪で羽生とフェルナンデスという金メダル候補を抱えるオーサー氏。実力者2人を同時に指導する難しさについて質問されると「今季は実際のところ、そこまで大変じゃないんだ」と説明したという。
「ユヅ(羽生)とハビ(フェルナンデス)は夏と秋の間のほとんどを一緒に練習していた。それはいいことだ。グランプリシーズンに突入すると、すぐに彼らは違うスケジュールに入る。ハビとユヅは違うグランプリに出場する。そして、ユヅは故障の治療に突入してしまった。ハビはスペイン国内選手権に出て、今は欧州選手権だ。彼らはそこまで同じリンクに立つことはないんだ」
オーサー氏は「それぞれにテーマがある。我々はみな、同じ場所を目指すが、その道のりは異なるんだ」と語ったという。2010年バンクーバー五輪ではキム・ヨナ(韓国)を、14年ソチ五輪では羽生をそれぞれ金メダリストに導いている。
羽生らオーサー氏の教え子は、3大会連続で五輪表彰台の頂点に立つことができるのだろうか。
(THE ANSWER編集部)