松山英樹、“脱・完璧主義”が生んだ快挙 イライラをキャディーにぶつけハッと気づいた
きっかけは前週「マスターズの前で良かったなと」
きっかけは前週にあった。バレロテキサスオープンの初日は67の好スコアで4位発進。しかし2日目以降は74、73、71と伸ばせず、結果は30位に終わった。この試合でふとした気づきがあった。
「初日いいスタートを切ったが、その後思うようなラウンドができなくて、イライラしているところでキャディーの早藤(将太)にも当たったり、チームのみんなにも迷惑をかけて、何をやっているんだろうと。ハッと気づくことがあって、マスターズの前で良かったなと思うところもあった。
マスターズの週に入ってからはどんどん自分の状態が上がっていくのが分かって、なので今週は怒らずに。今年は1度もトップ10に入っていなかったので、ミスを受け入れていこうと思ってやっていました」
常に完璧を目指し続けた男が変わった。だから、池に入れても、ミスショットが出ても、自らを許すことが出来た。僅かなミスが命取りになるオーガスタ。松山に生まれた気持ちの余裕が、グリーンジャケットを引き寄せたのかもしれない。
5月には次のメジャー・全米プロがある。今夏には東京五輪もある。周囲の期待は過熱するが、「まだ次の目標を決めるところには達していない。もう少し余韻に浸りながらゴルフをしたいと思う時間が来た時に目標を立てて頑張りたい」と穏やかな表情で口にした。20代ラストイヤー。松山が新境地を切り開いた。
(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)