JSCオンラインセミナー「HPSCプログラム」開催 トップアスリートが中高生に貴重なアドバイス
世界を目指す未来のトップアスリートたちが、世界を舞台に活躍する先輩アスリートたちと交流する貴重な機会が3月14日、オンライン上で実現した。舞台となったのは、独立行政法人 日本スポーツ振興センター(JSC)が主催する「令和2年度 アスリートパスウェイの戦略的支援 オンラインセミナー『HPSCプログラム』 ~未来のトップアスリートへつなぐ世界へのバトン~」。約2時間にわたるセミナーでは、オリンピック競技・パラリンピック競技を代表する2選手が13人の中高生に、自身の経験に基づくリアルなアドバイスとエールを送った。
ハンドボール日本代表・部井久選手、パラカヌー日本代表・瀬立選手が登壇
世界を目指す未来のトップアスリートたちが、世界を舞台に活躍する先輩アスリートたちと交流する貴重な機会が3月14日、オンライン上で実現した。舞台となったのは、独立行政法人 日本スポーツ振興センター(JSC)が主催する「令和2年度 アスリートパスウェイの戦略的支援 オンラインセミナー『HPSCプログラム』 ~未来のトップアスリートへつなぐ世界へのバトン~」。約2時間にわたるセミナーでは、オリンピック競技・パラリンピック競技を代表する2選手が13人の中高生に、自身の経験に基づくリアルなアドバイスとエールを送った。
セミナーに登壇したのは、オリンピック競技からハンドボール日本代表の部井久アダム勇樹選手(ジークスター東京)とパラリンピック競技からカヌー日本代表の瀬立モニカ選手だ。21歳の部井久選手は中央大学法学部、23歳の瀬立選手も筑波大学体育専門学群に在籍中で、文武両道を極めながら世界の舞台で戦っている。
一方の中高生参加者は、JSCが地域やスポーツ庁などの関係団体と連携して実施しているタレント発掘・育成プログラムに参加する新中学2年生から新高校3年生までの13人。潜在能力が高く将来性豊かだと期待される未来のトップアスリートたちで、実施する競技はスピードクライミング、フリースタイルスキー(エアリアル)、トライアスロン、ライフル射撃、パラ水泳、パラパワーリフティングと多岐にわたった。
オンライン会議システム「ZOOM」を利用したセミナーでは、まず部井久選手と瀬立選手によるトークショーを実施。司会を務めた元スキー日本代表コーチの松井陽子さん(JSC)を交え、両選手の実体験に基づいた興味深い話が披露された。
世界での活躍を目指す参加者たちが参考になったのは、2人が初めて経験した世界大会の話だろう。2015年に開催されたパラカヌー世界選手権が初めての世界大会だったという瀬立選手。「世界選手権、かつリオパラリンピックの第1次予選会という超大舞台に参加しました。すごく緊張したのを覚えています」と笑顔で振り返るが、結果は「苦い思い出」になったという。だが、ただの「苦い思い出」では終わらせなかった。
「スタートで失敗して諦めてゴールしてしまった不甲斐ないレースでした。その不甲斐なさは今、レースに出場する時のモチベーションになっています。世界がどういうレベルなのか認識できて、その後の練習に対する取り組みがメチャクチャ変わりました」
部井久選手が初めて経験した世界の舞台は、2016年に開催された第4回U-22東アジア選手権だった。「高校2年生の時で、僕も緊張したのを覚えていますし、試合前の国歌斉唱で鳥肌が立った。こんなに心が震えるものかと思いました」と、当時の興奮を振り返った。部井久選手も想像通りにいかなかったことが多く、「すごく緊張して自分の体ではない感覚だった。その時の悔しさがモチベーションになり、2度とこういう想いはしたくないと思いました」と、上手くいかなかった経験をその後の飛躍に繋げたという。