天理大、王者・早大撃破で初V 関西勢36大会ぶり頂点、計8トライでエリート軍団に大勝
全国大学ラグビー選手権決勝が11日、東京・国立競技場で行われ、早大に55-28で勝利を収めた天理大が初優勝を飾った。緊急事態宣言下で開催された異例の決勝で、1984年度に3連覇した同志社大以来、関西勢36大会ぶりの頂点。2大会連続17度目の優勝を狙った早大は、2008年度以来13季ぶりの連覇はならなかった。
早大VS天理大、全国大学ラグビー選手権決勝
全国大学ラグビー選手権決勝が11日、東京・国立競技場で行われ、早大に55-28で勝利を収めた天理大が初優勝を飾った。緊急事態宣言下で開催された異例の決勝で、1984年度に3連覇した同志社大以来、関西勢36大会ぶりの頂点。2大会連続17度目の優勝を狙った早大は、2008年度以来13季ぶりの連覇はならなかった。
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先制したのは天理だった。開始早々からフォワードの強さを生かして前進すると、敵陣インゴール直前の右中央ラックから右に展開。最後はCTB市川敬太がトライを決めた。コンバージョン(CB)も決めて7-0。前半10分にも残り5メートルのラックからLOアシペリ・モアラが相手タックルをはねのけてトライを奪った。
一方、早大も譲らない。同20分、敵陣残り約20メートルからCTB長田智希が持ち出すと、インゴール直前のラックから最後はPR小林賢太が押し切って反撃トライ。CBも決めて7-14とした。しかし、天理は同25分にペナルティゴール(PG)で17-7と差を広げた。さらに同31分、40分に市川がトライ。一人で3本目のトライを奪い、29-7の天理リードで前半を終えた。
後半6分にもSH藤原忍がトライ。早大は7-36の同12分にFB河瀬諒介が素早いステップで相手防御を突破してトライを奪った。しかし、同18分にまたも天理の市川が4本目のトライで41-14と突き放した。市川は大阪・日新高出身で花園出場経験なし。身長173センチながら大学4年間で力をつけてきた“無名の男”が、花園など全国の舞台を経験した選手を多数擁するエリート軍団の早大防御を次々と切り裂いた。
43-14の同23分にはモアラがダメ押しトライ。同27分にトライを奪われたが、34分にもFB江本洸志がトライを奪うなど逃げ切った。
天理大ラグビー部の創部は1925年。小松節夫監督は93年にコーチとなり、95年に監督へと昇格した。昨年度準決勝は早大に14-52で大敗。昨夏は新型コロナウイルスの集団感染で約1か月の活動休止となったが、2011、18年度に続く3度目の決勝で悲願の初優勝となった。
7日に緊急事態宣言が首都圏の1都3県に再発令。観客数は最大5000人かつ収容率50%以下に制限されたが、既に販売済みのチケット約1万7000枚には適用されなかった。感染対策としてこの日は試合前の校歌斉唱はなし。日本協会は優勝校の胴上げ、観客の声を出した応援を控えるよう求めていた。
(THE ANSWER編集部)