「ロッキー映画でない限り…」 米放送局が“8度ダウン死闘”を「年間最高試合」選出
10月に行われたボクシングのWBC世界スーパーライト級挑戦者決定戦で、当時WBC同級2位のホセ・セペダ(米国)が壮絶な打撃戦の末に元IBF同級王者イバン・バランチェク(ベラルーシ)に5回2分50秒TKO勝ち。計8度のダウンが生まれた一戦は各方面から大きな称賛を呼んだが、米スポーツ専門局「CBSスポーツ」も「年間最高試合」に選出した。
リング誌に次ぐ栄冠、セペダ―バランチェク戦を「2020年年間最高試合」選出
10月に行われたボクシングのWBC世界スーパーライト級挑戦者決定戦で、当時WBC同級2位のホセ・セペダ(米国)が壮絶な打撃戦の末に元IBF同級王者イバン・バランチェク(ベラルーシ)に5回2分50秒TKO勝ち。計8度のダウンが生まれた一戦は各方面から大きな称賛を呼んだが、米スポーツ専門局「CBSスポーツ」も「年間最高試合」に選出した。
倒し倒されの激闘は、年間最高試合に相応しい。4回まですべてのラウンドでどちらかがダウンを奪う、クロスファイトが展開された。そして結末は5回に訪れた。残り15秒、バランチェクの左をかいくぐったサウスポーのセペダが右のオーバーハンドから、返しの左フックを直撃させる。仰向けにエビぞりのような体勢になって倒れるバランチェクは被弾の瞬間に失神。決着がついた。
1回に2度ダウンを奪われていたセペダ。5回もこのシーンの直前にダウンしており、まさに起死回生の一撃。大逆転KOとなった。ダウンは両者合わせて8度。稀に見るダウンの応酬からの衝撃のフィニッシュは権威ある米専門誌「ザ・リング」も年間最高試合に選出していたが、CBSスポーツもこの1戦を2020年のベストバウトに選んだ。
寸評では「ボクシングファンはロッキー映画でない限り、試合をこれほど劇的に扱ったりはしない」と表現。試合について「セペダは1回にダウン2度と5回のものを含め、合計4度のダウンを奪われた。しかし最も残忍なコンビネーションを最後に残していた」と回想し、フィニッシュシーンについては「滑らかでカウンターパンチを武器とするセペダが“喧嘩屋”として知られていなかったことが、この結果をより予想外のものにした」と記している。
(THE ANSWER編集部)