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蕎麦の出前がニュースポーツに 浅草を支え続けた「おかみさん魂」が生んだ新企画とは

11月30日の「そばの日」を控えた11月29日、東京・浅草にてスポーツイベント「出前走浅草2020」が開催された。

地元・浅草の蕎麦屋の店員も参戦。これぞホンモノ、という安定した出前姿を披露
地元・浅草の蕎麦屋の店員も参戦。これぞホンモノ、という安定した出前姿を披露

東京・浅草で「出前走浅草2020」が11月に開催された

 11月30日の「そばの日」を控えた11月29日、東京・浅草にてスポーツイベント「出前走浅草2020」が開催された。

 この「出前走」は、片手に蕎麦のせいろ、もう一方の手で自転車を操作し、コースの障害物を避けながらゴールを目指すタイムアタックレース。コロナ禍によりフードデリバリー市場が注目を集めた今年、蕎麦のせいろを何段も積み上げて運ぶ職人技から着想を得て誕生した、ニュースポーツだ。

 コースは浅草六区ブロードウェイ一帯に設置。男性は7段、女性は5段、蕎麦のせいろを積み上げ、全長300メートルの特設コースを自転車で往復し、タイムを競った。

 また、このレースはタイムだけでなく、審査員による衣装審査点も加算されて、総合順位が決定。参加者は趣向を凝らした衣装を身に付け、ゴールを目指した。

 今年はコロナ禍により、全国の観光地は大打撃を受けたが、東京を代表する観光地・浅草も例外ではない。

「浅草も4~6月は人出がまったく途絶え、最悪の状況でした」とは、「出前走浅草」を共催した浅草おかみさん会理事長の冨永照子さん。「私も商売をやっていますから、いつまでこの状況が続くのかとすごく不安でした。その頃はまったく意気消沈してしまい、『街をどうしようか』という考えさえ浮かびませんでした」

 考えてばかりいても仕方がない、とようやく気持ちが切り替わったのは、6~7月。長年、浅草の街を陰で支え続けてきた「おかみさん魂」に火がついた。「前回の東京五輪(1964年)後の苦しい時代も、浅草のおかみさん会で頑張ってここまできたんじゃないの、と。もう一度、頑張んなさいよ! 自分に言い聞かせました」

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