五郎丸歩、引退発表会見一問一答 ポーズ大流行に違和感も「自分に与えられた使命」
“五郎丸ポーズ”の流行で「魅力広げる使命感じた」
――23年W杯で日本代表に期待していることは。
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「対戦相手も決まったし、何かの縁でエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)率いるイングランドと対戦が決まったのは、何か宿命というものを感じる。ラグビーが生まれたイングランドという素晴らしい国に勝利することで、日本のラグビーの価値、スポーツの価値が高まっていくと思う。最大のターゲットとして後輩たちに頑張ってほしい」
――シーズン前に引退発表会見を行った思い。
「シーズンを終えた後に会見をするのが本来の形とは理解している。しかし、昨年も(新型コロナの影響で)6試合をもってシーズンが終了した。このことが大きな要因の一つ。また、もう一つの要因としては、15年W杯後から、本当に多くの人に応援していただき、支えていただいた。そういった方々に、もしかしたら途中で中断してしまうかもしれないシーズン前に、しっかりとした形でご挨拶させていただき、自分のラストシーズンを迎えることが私が考える礼儀であると、この会見を承諾していただいた」
――15年に“五郎丸ポーズ”が流行した。当時と今の心境は。
「ラグビーを続けてきた人間としては、1人にフォーカスされることに対する違和感はもちろん感じた。ラグビーは誰かヒーローが出るわけではなく、チーム皆が自分の仕事を全うした上で勝利が見える競技性を持っている。3歳からずっと経験しているので、私1人にフォーカスが当たることに関しては、非常に違和感がありましたが、ラグビーという競技が日本で広まっていない以上、ラグビーの魅力を広げていくことが自分に与えられた使命だと感じてやってきました」
――今となっては良い思い出か。
「最初は少しきつかったですけどね。考え方を変えれば素晴らしい機会を頂いたと思います。あのポーズから入って、ラグビーを好きになった、違う選手を好きになった方が1人でも多くいらっしゃれば、私がラグビーを続けてきた意味はあるのかなと思います」
――引退を報告し、周囲にはどんな言葉をかけられたか。
「『まだできるんじゃないか』という声もありましたし、『純粋にお疲れさま』といった言葉をかけてくれた方もいた。両方ともありがたい言葉でした」
――今、ラグビーを頑張っている子どもたちへメッセージを。
「日本のラグビーはここ数年で大きく変わってきた。私が小さい時に見ていた日本代表よりはるかに強くなってきているし、個人としても松島選手や姫野選手が海外に出てプレーし、個の選手たちも多く出てきた。小さい頃には考えられなかったこと。チームとしても、19年は初のベスト8。世界レベルに上がっていると思います。そういった高い目標を現役トップの選手が示してくれている。そういった選手たちに負けないように、追い抜くように、日々努力をしていってほしい」
(THE ANSWER編集部)