21歳田中希実は800m4位 “超出遅れ”の異例レースを説明「いつも勝手がわからない」
東京五輪まで10か月を切った中、陸上の日本選手権最終日が3日、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われ、女子800メートル決勝では21歳の田中希実(豊田織機TC)が2分04秒76で4位に終わった。日本記録を持つ2日の1500メートルと合わせて二冠はならず。それでも大きく出遅れた序盤から一時トップに立つレースぶりで観衆を沸かせた。川田朱夏(東大阪大)が2分3秒54で優勝した。
日本選手権最終日
東京五輪まで10か月を切った中、陸上の日本選手権最終日が3日、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われ、女子800メートル決勝では21歳の田中希実(豊田織機TC)が2分04秒76で4位に終わった。日本記録を持つ2日の1500メートルと合わせて二冠はならず。それでも大きく出遅れた序盤から一時トップに立つレースぶりで観衆を沸かせた。川田朱夏(東大阪大)が2分3秒54で優勝した。
観衆がどよめいた。田中はスタート直後から大きく遅らせて最後尾についた。しかし、約200メートル地点でギアチェンジ。次々と前の選手たちを追い抜くと、約500メートル地点でトップに躍り出た。異例のレース展開にスタンドは盛り上がる。だが、21歳は最後の直線に入った辺りで失速。4位でゴールした。
レース後は、事前のプランについて「いつも800メートルの時は勝手がわからず、最初の100メートルで皆さん速いと感じる。今回の予選でも感じたので最初の100メートルは自分のペースでいこうと決めていました」と説明。しかし、最後まで持たず「自分が前に出てロングスパートをすれば800メートルの選手は2周目で落ちてくると思っていたけど、自分も落ちてしまった。そこが弱い部分。自分では上げているつもりだったけど、全くタイムは上がっていなかった」と振り返った。
それでも、1500メートルで初の日本一に輝いた21歳。今大会について「全部しっかりとテーマを持って落ち着いて進められたのは選手として成長できた」と実感。「でも、やっぱり800メートルで勝ちたい気持ちが足りなかったので、もっと貪欲にやらないといけない。両方この春から培ってきたものを出せば、両方優勝できると思っていた。800メートルでとれなかったのは弱さというか、おごりの部分があったのだと思います」と悔しさを噛み締めた。
12月にも日本選手権(長距離)で本職の5000メートルに出場予定。「5000メートルはもっと気持ちの強さが大事になる。800メートルでは気持ちの部分で弱かったと思うので、そこを見直せば5000メートルでも14分台、日本記録を出せると思います」と力強く語った。