「井上尚弥戦後に生活崩壊」 離婚、うつ病…マクドネルの「荒れ狂った」苦悩とは
ボクシングの元WBA世界バンタム級正規王者ジェイミー・マクドネル(英国)が、王座陥落で一変した人生の苦悩を告白している。2018年5月25日に挑戦者だった井上尚弥(大橋)に112秒でTKO負け。以降は離婚で最愛の家族を失い、うつ病を患ったことなどについて語った。母国メディアがインタビューした内容を報じている。
18年5月の井上尚弥戦で王座陥落、マクドネル「私生活は本当にボロボロだった」
ボクシングの元WBA世界バンタム級正規王者ジェイミー・マクドネル(英国)が、王座陥落で一変した人生の苦悩を告白している。2018年5月25日に挑戦者だった井上尚弥(大橋)に112秒でTKO負け。以降は離婚で最愛の家族を失い、うつ病を患ったことなどについて語った。母国メディアがインタビューした内容を報じている。
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10年間無敗だったマクドネルはモンスターに粉砕された。あれから2年2か月。「ジェイミー・マクドネル:最後の賽は投げられた」の見出して元王者の近況を報じたのは、英専門メディア「ボクシング・ソーシャル」だった。記事では、井上戦前のマクドネルについてこうつづっている。
「2018年4月、ジェイミー・マクドネルはすべてを手にしていた。WBAバンタム級の世界タイトル、豪邸に豪華な休暇、当時の流行を先取りしたファッションなど。ただ、最も重要だったのは成功を分かち合う彼の妻と娘の存在だった」
井上戦までに6度の防衛を果たした。だが、記事では「そんなマクドネルの世界は井上尚弥との試合後に崩壊してしまう」と説明。初回に猛ラッシュを浴びて陥落した後、生活は一変したという。「対戦から1か月後、マクドネルは井上の左フックよりも強烈な痛みを味わうことになる。結婚生活が破綻したのだ」と記し、こう続けている。
「そして、自らが思い描いた未来を失ったことを嘆き、娘の成長を見守ることができないという事実に苦しんだ結果、マクドネルはうつ病になってしまう。ボクシングを通して平静を装うよう努めた。ただ、荒れ狂った精神状態だったため、トレーニングで正気を保つことは彼にとって途方もないタスクと言えた」
王座陥落後に家族と離れ離れになり、精神面で問題を抱えていたという。敗北から1年1か月後に迎えた再起戦では、ノンタイトル6回戦で15勝15敗4分けのクリスチャン・ナルバエス(ニカラグア)に判定勝ち。王座返り咲きに向けて歩み出したかと思われたが、以降は試合をしていない。
記事によると「(井上戦から)2年3か月近くの時間が経ち、心の傷はやっと癒え始めた」と徐々に回復傾向にあるという。さらに同メディアは「ボクシング界の頂点にもう一度たどり着けるという信念を次の言葉とともに明かした」とマクドネルのコメントを紹介している。