“中国ウイルス”は「差別だ」 米フィギュア元世界女王が怒り「とても腹が立ちます」
フィギュアスケートの長野五輪銀メダリスト、ミシェル・クワンさん(米国)が米スポーツ専門局「ESPN」のインタビューに応じ、新型コロナウイルス蔓延における米国国内の差別について語った。
中国系アメリカ人のクワンさんが訴え「差別があると感じます」
フィギュアスケートの長野五輪銀メダリスト、ミシェル・クワンさん(米国)が米スポーツ専門局「ESPN」のインタビューに応じ、新型コロナウイルス蔓延における米国国内の差別について語った。
「アスリート、オリンピアン、中国系アメリカ人 ミシェル・クワンさんはスポーツの“ベン図”の中心に」との見出しで報じられた記事でインタビューに登場したクワン。記事では「現在39歳のミシェル・クワンは独特な立場にいる」とし、中国系アメリカ人の立場だけでなく、元オリンピアン、現在の外交官の立場としての存在から元五輪女王をクローズアップしている。
新型コロナウイルスの蔓延、五輪延期などについて見解を明かした一方で、浮き彫りになったアジア系米国人に対する差別についても思いを語っている。記事では「世界的な新型コロナウイルスによる危機は個人的なレベルではあるが、クワン自身に苦悩と失望を感じさせることになる」と状況を伝えた上で、本人のコメントを紹介している。
今回のウイルスが「チャイナ(中国)ウイルス」と呼ばれることについて「私はとても腹が立ちました」と率直な思いを吐露。今回の感染症を巡っては、ドナルド・トランプ米大統領が「チャイナウイルス」と表現し、中国からウイルスが広がったものと強調してきた。
さらに、クワンさんは「差別があると感じます」と言及。「例えば、あなたがアジア系アメリカ人または太平洋の島諸国の出身だとしたら、今お店に行くと現在の状況があなたのせいのように思われたり、入店を受け入れてもらえなかったりします。私にとって、それは失望するものです」と身近に差別的意識が蔓延していると指摘した。
現役時代は世界選手権を5度制覇し、フィギュア界で一時代を築いたクワンさん。記事では「この国、またこの世界において差別が許される余地などないはずです」と力説していた。
(THE ANSWER編集部)