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バド日本代表、異例50日間の長期遠征出発 新型コロナ余波で「すごい日程と驚いた」

バドミントン日本代表は8日、五輪レース終盤を戦い抜く50日におよぶ長期海外遠征に旅立った。

意気込みを語った朴柱奉ヘッドコーチ【写真:平野貴也】
意気込みを語った朴柱奉ヘッドコーチ【写真:平野貴也】

全英オープン後に帰国予定を変更、国際ツアーを転戦へ

 バドミントン日本代表は8日、五輪レース終盤を戦い抜く50日におよぶ長期海外遠征に旅立った。行き先は、11日に全英オープンが開幕する、英国バーミンガム。当初は大会後に帰国を予定していたが、新型コロナウイルスの影響により、各国が渡航者の制限を設けるようになっているため、日本バドミントン協会は方針を変更した。出発後は、海外で合宿を行い、国際ツアー大会を転戦。五輪レース最終戦となる4月26日閉幕のアジア選手権(中国・武漢からフィリピン・マニラに開催地変更)までの約50日間を帰国せずに戦い抜く。慌ただしい対応に追われながらも体制を整え、日本代表を率いる朴柱奉ヘッドコーチは「(全英の前に参戦予定だった)ドイツオープンが開幕3日前に中止になり、緊急ミーティングをした。大事な五輪レースの最後の勝負。無理のあるスケジュールだけど、予定が決まって良かった。全英は、残りの大会で一番大事。良い成績を残せれば、残りの大会が楽になる。全員集中で頑張りたい」と、五輪レース終盤の大舞台に向けた意気込みを語った。
 
 バドミントンの東京五輪出場権獲得レースは、4月末までの1年間の成績を反映した世界ランキングで争われる。レースはすでに終盤で、出場圏の瀬戸際の選手や追い上げを狙う選手にとっては、最も重要な期間となる。しかし、新型肺炎の影響により、すでに複数の大会が中止や延期、あるいは開催地変更となっており、大会の日程自体が不透明だ。全英オープン後に日本の選手が参加するインドオープンは、ビザが取得できるか、有効かという問題も抱えたが「ギリギリ、取得できた」(日本バドミントン協会関係者)という。全英後の帰国を取り止めたが、海外合宿も当初予定していた英国の大学は使用不可となり、英国協会の協力を得て当地のナショナルトレーニングセンターを借りるなど、刻一刻と変わる状況の中で、関係者は対応に追われている。一方、医師による講習や、マスクの配布など、選手には予防を徹底。選手の検温は、毎日行われている。同部屋での濃厚接触を避けるため、合宿期間のホテルは、できるだけシングルユースを希望することも検討しているという。朴HCは「コンディションの管理が大事。選手個人の問題ではなく、選手団としての問題になり得る。何度も体調管理の話をした」と体調面での警戒を強調した。

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 世界中が困惑している状況だが、選手は変わらずに結果を求められる。男子ダブルス世界ランク4位の園田啓悟/嘉村健士(トナミ運輸)は、五輪出場の有力候補。夏に向けて上位シードの獲得とコンディションの向上を狙う。園田は「話を聞いたときは、すごいスケジュールだなと思い、驚いた。全英には栄養士さんや(食事面のサポートをしている)味の素の方が付いて来て下さるので、食事の面でアドバイスをもらいたい」と長期遠征の鍵に食事を挙げた。嘉村は「全英は、大会の開催が最終的には月曜日(開幕前日)に決まると聞いている。学校の休校などでバドミントンをプレーできない学生や社会人が多い中、少しでも元気を与えられるような結果を残したい。大会があるかどうか分からないけど、期間は分かっているので、ベストを出せるように準備したい」と抱負を語った。五輪レースの最後、前代未聞の長い戦いが始まる。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)


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