楢崎智亜が“完全体”へ スピードJC準Vも、欧州NO.1選手の新技習得中「5秒台出る」
東京五輪新種目となったスポーツクライミングのスピードジャパンカップは22日、東京・昭島市で行われ、東京五輪代表に内定している楢崎智亜(ともあ・TEAM au)は決勝で土肥圭太(鹿児島県山岳・スポーツクライミング連盟)に敗れて準優勝となった。五輪イヤーの初タイトル獲得はならなかったが、五輪金メダルへ欧州NO.1スピードクライマーの技術習得に手応えを見せた。
東京五輪新種目のスポーツクライミング、金候補の楢崎智亜が新スキップに手応え
東京五輪新種目となったスポーツクライミングのスピードジャパンカップは22日、東京・昭島市で行われ、東京五輪代表に内定している楢崎智亜(ともあ・TEAM au)は決勝で土肥圭太(鹿児島県山岳・スポーツクライミング連盟)に敗れて準優勝となった。五輪イヤーの初タイトル獲得はならなかったが、五輪金メダルへ欧州NO.1スピードクライマーの技術習得に手応えを見せた。
複合世界王者が会場をどよめかせた。スピードはホールド(突起物)の位置が統一され、高さ15メートルの壁を登ってタイムの速さを競う。準決勝。楢崎はこの日全選手最速となる6秒42をたたき出した。決勝は中盤で足を踏み外すミスで優勝を逃し「安定したタイムなら勝てる相手だった。(ホールドを)蹴るタイミングが違って空中を蹴ってしまった」と悔しさを露わに。それでも、2月の寒さをものともしない動きで順調ぶりをアピールした。
五輪初代王者に向けて習得を目指しているのが「マルチン・スキップ」と呼ばれる技術。2016年のスピード世界選手権を制したマルチン・ジェンスキー(ポーランド)の登り方だ。中盤で左のホールドを飛ばして駆け上がる。楢崎は持ち前の鋼の肉体を駆使し、空中で体が浮かないように意識して登っていった。
自身の持つ日本記録は6秒159だが、スピードで世界と戦うには5秒台が必須。昨年8月の世界選手権前から取り組み始め、1発目で6秒3をマークした。「もともと、相性がよかったんだと思います。このままやれば夏までには5秒台は出ると思う。五輪までには練習でも出るようにしたい」。日本人に苦手とされるスピードで世界と互角に渡り合えば、得意種目のボルダリング、リードでさらに差を広げられる。金メダルを奪うために苦手克服に励む。
自身が編み出した、スタート直後のホールドを使わずに直線的に登る独自のスタイル「トモアスキップ」は海外選手がこぞってまねをする。最近では国内の女子選手でも流行してきたが、日本のエースは新技習得でさらに先を行こうとしている。「スピード専門の選手といい勝負ができたら」。成長意欲を持ち続け、“完全体”で東京五輪に挑む。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)