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東京五輪で引退の野口啓代が準優勝 後輩ら惜しむ「誰もが彼女を目指して頑張ってる」

先駆者・野口の引退を伊藤ら後輩は惜しむ「競技を始める前からずっといた存在」

 数々の国際大会で優勝を果たすなど、世界でもトップを走り続けた野口。背中を追い続けた選手たちも、引退を惜しむ。

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 優勝した17歳の伊藤は、野口とともに合宿を行うなど、間近で凄みを味わってきた。「啓代ちゃんが引退しちゃうのはまだ実感できないというか、私が競技を始める前からずっといた存在だったので、来年はいないんだなと思うと悲しい。世界でもトップに居続けている選手。そこを超えないと世界のトップには立てないんだなという感じがする。啓代ちゃんと練習できる機会も限られているので、1回1回の練習を大切にしたい」としみじみと話した。

 決勝進出を果たし、将来を期待される16歳・森秋彩(あい・茨城県山岳連盟)は、小学生低学年時にドイツで行われたワールドカップを現地観戦。野口と写真を撮ってもらったことを覚えているという。「やっとこうして一緒に戦えるところまで来たので、引退してしまうのは悲しい。クライミング界のトップを引っ張ってきた人だから寂しいけど、これからは野口さんのように、ずっとクライミング界のトップにいられることを目標にやっていきたい」と話した。

 決勝を視察した日本代表・安井博志ヘッドコーチも「彼女が先頭に立って日本を引っ張ってくれている。誰もが彼女を目指して頑張ってきているし、貢献度というのは男女含め、日本のクライミング界に最も貢献している選手だと思う」と野口の貢献度の大きさを表現した。

 各方面から引退を惜しまれる野口。「今は東京五輪の金メダルを一番に目指している。目標を達成しないと見えてこないものもあると思うので、まずは目標を達成できるように」。スポーツクライミングで最初の五輪女王という、最高の締めくくりを実現するつもりだ。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)


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