延べ147人が参加 Jリーガーも輩出した“神イベント”「合同セレクション」って何?
「夢」と「現実」に寄り添うセレクションがもつ独自の価値
その中の一つ、選手のセカンドキャリア、デュアルキャリアの支援を行なうプロジェクト「名蹴会セカチャレ」の山村直之氏はこう語る。「普段は引退後の選手の支援が中心ですが、今回参加された選手は現役を続けることが大前提。なので、新たに決まるチームの活動と並行してできる仕事を紹介させてもらうなど、今後の競技生活において伴走できるような関係を作っていければ」と話す。参加した選手にメールを配信し、キャリアに興味を持つ選手と個別に話す機会をすでに設けているという。
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チームによってはJFLや地域リーグでもプロ契約を結べる選手もいるが、多くの選手はアマチュアとして活動することになり、キャリアの問題と向き合っていく必要がある。その中で人材紹介系のスポンサーが増えていることは、選手にとってもチームにとってもプラスに働くといっていい。おこしやす京都AC営業企画部の那口誠氏は「近年、注目されているアスリートのキャリアサポートをもう一つの軸にしたいという思いはありました。今後は選手とチームだけでなく、選手と企業をつなぐイベントにもしていきたい」と語る。
「サッカーを長く続けたい」という思いは、すべての選手にとって共通するものだ。社会人でもこうした思いを持つ選手が増え、さらに選手を受け入れるチームや企業が増えていくことは、日本サッカーの成熟につながっていく。このセレクションを経て、関東1部からJ3のクラブと契約を結んだ選手もいるほか、地域リーグなどを経てJFLのチームへと「個人昇格」を果たしたケースも多い。アマチュア選手の「夢」だけでなく、「現実」にも寄り添いながら、合同セレクションは今後も独自の価値を高めていきそうだ。
(星野 有治 / Yuji Hoshino)