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井上尚弥のドネア戦“幻のKO劇”を指摘 ダウン後の審判にリング誌「理解不能なこと」

昨年11月7日に行われたボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝のノニト・ドネア(フィリピン)戦で各国メディアから「年間最高試合」に選出されたWBAスーパー&IBF王者の井上尚弥(大橋)。米専門誌「リング」最新号でも2019年度の表彰を改めて特集。同誌でも年間ベストバウトに選出された「ドラマ・イン・サイタマ」で“幻のKO劇”が再び脚光を浴びている。

井上尚弥【写真:Getty Images】
井上尚弥【写真:Getty Images】

WBSS決勝、ダウンシーンに米リング誌が疑問「ドネアはレフェリーに助けられた」

 昨年11月7日に行われたボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝のノニト・ドネア(フィリピン)戦で各国メディアから「年間最高試合」に選出されたWBAスーパー&IBF王者の井上尚弥(大橋)。米専門誌「リング」最新号でも2019年度の表彰を改めて特集。同誌でも年間ベストバウトに選出された「ドラマ・イン・サイタマ」で“幻のKO劇”が再び脚光を浴びている。

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 世紀の名勝負となった頂上決戦の余韻はいまだ冷めやらず――。「ボクシングの聖書」と呼ばれるリング誌は3月号の表彰企画で壮絶なWBSS頂上決戦を振り返った。

 井上優位の下馬評から一転、2回に「閃光」の異名を持つドネアの左フックを被弾し、鼻骨と眼窩底骨折のアクシデントに見舞われた井上。ドネアが二重に見えるというアクシデントとなったが、試合をリングサイドで取材した同誌のトム・グレイ記者は井上のインテリジェンスに改めて注目している。

「26歳は雷のような打撃力とフィニッシュ能力で有名だが、リング上で凄まじい技術の持ち主でもある。序盤はそれを見せつける時だった。モンスターがスキルスターになった」

 記事ではこう評価。ドネアのカウンターを受けない角度からジャブと鋭いコンビネーションを繰り出した井上の技術力を絶賛している。そして、11回に起きた“幻のKO劇”に注目している。「右のアッパーカットから肝臓へのどう猛な左フック(ボディー)はイノウエのキャリアで最高の戦略的な動きだった。試合終盤にベテランのエンジンを直撃したのは意図的だった」と記事では分析。ドネアからこの試合唯一のダウンを奪った左ボディー。直撃させた戦略性を改めて評価している。

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