「日課は昼寝」で世界2位に 2度の大怪我で五輪断念、再起の裏で…睡眠も「最高の選手になる努力だ」【東京世界陸上】
陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられた。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材した「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開。第15回は「睡眠の重要性」。男子1500メートルで銀メダルを獲得した31歳のジェイク・ワイトマン(英国)は休息の機会を増やすため、毎日の「昼寝」を導入。かつて世界一に輝きながら、2度の大怪我で現役続行も危ぶまれた男は「睡眠改革」で再起した。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

東京世界陸上連載「東京に集いし超人たち」第15回
陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられた。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材した「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開。第15回は「睡眠の重要性」。男子1500メートルで銀メダルを獲得した31歳のジェイク・ワイトマン(英国)は休息の機会を増やすため、毎日の「昼寝」を導入。かつて世界一に輝きながら、2度の大怪我で現役続行も危ぶまれた男は「睡眠改革」で再起した。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
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疲れを知らない末脚に観客がどよめいた。
17日の決勝、ワイトマンはラスト100メートルで猛然とスプリント。一時は先頭に立つ激走で、世界の2番でゴールに飛び込んだ。「とても嬉しいよ。世界陸上ではどんなメダルでも最高さ」と満面の笑みで掲げた銀メダル。その背景には意外な生活習慣があった。
それは「昼寝」だ。毎日30~40分ほど、練習の合間に欠かせないルーティンとなっている。20歳の頃から、休息と回復の機会を増やすために導入。「病気や怪我をしにくくなるんだ。とにかく休まっている気がするのさ」。睡眠も大切なトレーニングと考えている。
「最高のアスリートになるための努力の一環なんだ。昼寝以外にもこの結果に繋がる要素はたくさんあるけど、良いアスリートになるには、昼寝も重要な要素の一つさ」
故障に悩まされた現役生活も拍車をかけた。2022年の世界陸上オレゴン大会で金メダルを獲得した翌年、練習中に足首を骨折しブダペスト大会をまさかの欠場。さらに翌年にはハムストリングを筋断裂し、パリ五輪出場の望みも絶たれた。
「本当に落ち込んでいたよ。特にパリ五輪は自分が参加できる最大の大会。だけどテレビで観戦もしなかった。関わりたくなかったんだ。あの夏は本当に嫌な思い出さ」

相次ぐ大怪我で現役生活も危ぶまれたワイトマンは「小さいことの積み重ねが大事なんだ」と睡眠の重要性を再認識。今もなお、昼寝を欠かさない。だがアスリート以外なら、同じように昼寝の時間を確保することは難しい。それを理解した上でアドバイスを送る。
「夜は十分な睡眠をとるようにして欲しい。睡眠は前日のハードな仕事から身体を回復させる唯一の機会だからね。昼寝だけでなく、睡眠全般が非常に重要なんだ」
良い眠りをとると、強くなる。2度の大怪我を乗り越えた英国ランナーが「睡眠改革」で再び飛躍を遂げた。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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