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部活の熱中症予防、本当に大切なのは「運動の前後」 練習中の水分補給だけでは不十分

「アフターケア」の2つの方法を紹介

 次にアフターケアですが、こちらは気温や運動によって体にこもった熱を取り除くことが目的です。その方法を2つお伝えしましょう。

 1つ目ですが、運動直後は「冷たい飲み物」を飲みます。特に夏場は「アイススラリー」と呼ばれるシャーベット状にした飲み物がベスト。理由は、体はのどを冷やすと深部までしっかり冷えると考えられているから。シャーベット状のアイススラリーは冷やしただけの飲料よりも温度が低く、氷よりも喉に流れやすいため、もっとも効率よく、短時間で冷却できると考えられています。

 アイススラリーは市販されている商品もありますが、自宅でも似たようなものが簡単に作れます。スポーツドリンクを凍らせて、ミキサーで細かく砕き、保冷機能のある水筒に入れるだけで完成です。

 砕く目安ですが、水筒を逆さにしても、ポタポタと中身が落ちてこない程度に、固形の状態を残します。すると、朝、水筒に入れた氷がお昼ぐらいには、シャリシャリ感も残りつつ、飲める状態になります。容器によっても変わるので、試しながら調整してくださいね。

 注意点は、一気飲みをしないこと。胃腸に負担がかかるので、少量ずつ飲むように子供に伝えましょう。

 2つ目ですが、試合や練習後の補食や食事、夕食に「体を冷やす食品」を使うこと。

 体を冷やす食品とは、東洋医学でいう「陰性」の食品です。野菜でいうと夏に旬を迎える「夏野菜」と呼ばれるもの。トマト、きゅうり、ナス、レタス、ゴーヤあたりが代表的です。これらを積極的に使いましょう。

 補食や食後のデザートには南国のフルーツを。バナナやキウイフルーツ、パイナップルといった南国の果物は体を冷やしてくれます。そして夏が旬のスイカも、ミネラルを含み、水分もたっぷりなので、もちろんおすすめですよ。

「THE ANSWER」お悩み相談室「Q&A」

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(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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吉谷 佳代

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

江崎グリコ株式会社で健康食品開発や、スポーツサプリメントの研究開発に従事。その傍ら、多くのアスリート、学生スポーツ、ジュニアへの栄養指導、食育イベントに携わる。2013年に独立。以降、ジュニアからトップアスリートまで幅広い競技の選手に対し、栄養サポートを行う。現在、プロ野球・阪神タイガース、実業団女子バレーボール・JTマーヴェラスのチーム専属栄養士。過去には、シスメックス女子陸上競技部(2015~2020年)、Bリーグ・西宮ストークス(2014~2017年)、自転車ナショナルチーム(2013~2018年)をはじめ多くのプロ選手やジュニア選手の栄養サポート実績を持つ。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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