TJ手術2度、両膝の靭帯負傷…ドジャース37歳投手から日本の球児へ「競技を愛するなら頑張るんだ」
米大リーグ・ドジャースは25日(日本時間26日)まで、敵地でナショナルズとの3連戦を行った。中継ぎ右腕ダニエル・ハドソン投手は2試合に登板。ともに1イニングを投げて2ホールドを記録し、ドジャースの連勝に貢献した。キャリアで何度も大怪我に見舞われた37歳。それでもマウンドに立ち続ける理由を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・土屋 一平)
ドジャースのダニエル・ハドソン
米大リーグ・ドジャースは25日(日本時間26日)まで、敵地でナショナルズとの3連戦を行った。中継ぎ右腕ダニエル・ハドソン投手は2試合に登板。ともに1イニングを投げて2ホールドを記録し、ドジャースの連勝に貢献した。キャリアで何度も大怪我に見舞われた37歳。それでもマウンドに立ち続ける理由を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・土屋 一平)
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「この年齢になれば、日によって体調は変わるね」
シューズが几帳面に揃えられた背番号41のロッカー。身長191センチの大男がウォーミングアップの準備を進めていた。右膝には黒いサポーター。声をかけると、快く取材に応じてくれた。自己紹介し、握手した右手は大きく、分厚い。苦労と経験がぎっしりと詰まっていた。
23日(同24日)、ナショナルズとの3連戦初戦。ハドソンは、2021年まで所属した古巣の本拠地で口元を緩めた。「移籍してからここに帰ってくるのは3度目なんだけど、見慣れた場所で見慣れた顔に会うのはいつだっていいものだよ」。負傷者の多いドジャース投手陣。今季12試合に登板し、防御率3.00で1勝1敗、6ホールド、1セーブを記録したベテランの存在は心強い。
平均95マイル(約155キロ)を超える直球を軸に、年齢を感じさせない投球を続ける。メジャー15年目。そのキャリアは、決して順風満帆とはいかなかった。
2008年にドラフト5巡目でホワイトソックスに入団。翌年メジャーデビューを果たした。10年にダイヤモンドバックスにトレード。翌年は先発として16勝を挙げた。しかし、12年に右肘を負傷。トミー・ジョン(TJ)手術を受けた。復帰を目指した翌シーズンは、リハビリ中に再び右肘を負傷。2年連続でTJ手術を強いられた。
「正確には覚えていないけど、『これはマズい』と思ったのは覚えている。どれほどの負傷かはわからなかったけど、(痛みを感じたのが)1度目の負傷箇所にとても近かった。たくさんの選手が完治する前に再び負傷する、といろんな人から聞いていたんだ。ポジティブにいようと努めていたけど、酷い怪我だとはすぐにわかったね」
投手生命が危ぶまれる大怪我を乗り越え、14年にリリーフ投手として復帰。その後、パイレーツ、ドジャース、ブルージェイズを経て19年にナショナルズに移籍した。この年、救援の柱として躍動。アストロズとのワールドシリーズ第7戦では9回に登板し、胴上げ投手になった。キャリア最高の歓喜の瞬間。オフには2年総額1100万ドル(約17億円)で契約延長した。
“MLB最大の名誉”を手にしたハドソン。しかし、その後に待っていたのは、また苦難だった。