甘く見てはいけない“脳震盪のリスク” プロ野球トレーナーが教える対処法とは
野球以外のスポーツでも進む頭部外傷への注意喚起
基本的な流れは、以下の通りです。
スポーツ脳震盪評価ツールのSCAT2(※2)の所見が消失してから、安静 → 軽い有酸素運動 → 野球に関連した動作 → 接触の無い練習・医師の診断 → 接触を含む練習 → 競技復帰 となります。
段階ごとには24時間以上の無症状の確認が必要です。
私達のチームでは、全選手のSCAT2とVOMSを事前に実施してベースデータとしており、受傷時のデータを比較判断しています。
(※2)SCAT2 世界の多くのスポーツ団体で採用されている脳震盪評価ツールで、現在はSCAT5までバージョンアップされています。各団体やチームで採用するバージョンはそれぞれで選択されています。VOMSも脳震盪評価ツールの一つです。
もちろん野球以外のスポーツでも「頭部外傷」への注意喚起は進んでいます。特に格闘技やコンタクトスポーツは発症する割合が高く、また体操競技やチアリーディングなどでも発生する件数は多いようです。
そうした中で予防や道具の開発が進んでいますが、体幹や頭部を安定させる機能が低いと、転倒時などで外力が体加わった際に、頭部外傷を引き起こすリスクが高くなってしまいます。そういった意味でも日頃のトレーニングを大切にする必要があります。
これを機会に脳震盪について、脳震盪評価ツールのSCATなどを参考にしてより理解を深めて頂き、様々なスポーツの現場で生かしてもらえればと思います。
(石井 雅也 / Masaya Ishii)