五輪を観て「あんな風に大きな体になりたい」 子どもに必要な栄養の目安と“あと2つ”の大切な要素
スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。
「シン・オリンピックのミカタ」#93 「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」
スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。
世界のトップアスリートがしのぎを削るオリンピック。テレビを観て「いつか、自分もあんな選手になりたい」と思う子どもたち、それを後押ししたいと願う保護者も大勢いる。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行い、「THE ANSWER」で保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」を手掛ける公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が、今回はオリンピック版としてジュニア世代の栄養の基本を紹介する。(前後編の前編、取材・構成=長島 恭子)
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Q.何を食べたら、オリンピック選手のように強くなれるのか、大きくなれるのか。
A.オリンピック選手やプロ選手を目指す子どもたちの栄養講習会で、「1cmでも大きくなりたい人はどのぐらいいるかな?」と質問すると、全員の手が挙がります。彼らのご家族からも「子どもの体が大きくなるために、タンパク質とカルシウムをしっかり摂る方法を教えてほしい」という質問をよく受けます。
確かにタンパク質やカルシウムも重要ですが、成長期の子どもたちに最も大切なのは、運動量に見合ったエネルギー量を摂ることです。
子どもたちも食べられる量に限りがあります。成長期にエネルギーが不足しては、せっかくの背が伸びるチャンスを生かしきれません。それに、筋肉作りには糖質(炭水化物)も必要です。タンパク質だけをとっていては、筋肉作りもうまく進まず、もったいないですよ。
エネルギー源となる炭水化物の豊富な食品といえば、献立でいうとご飯や麺類、パンなどの「主食」。なかでもイチオシはお米です。
うどんは水分が多く、パンは重量が少ないため、とてもたくさんの量を食べないと1日の必要量を摂りきれません。その点、重さの1/3を炭水化物が占めているお米は、効率よくエネルギーを摂ることが出来るのです。
1日に必要な炭水化物の量は、子どもの運動量や体重、成長期のどの段階にいるかなどによって異なります。また、中学生、特に男の子の場合は個人差も大きい。ここでは、目安量でお話ししますので、参考にしてください。