日本バスケ初の1億円プレーヤー 167cm富樫勇樹、未来の“小さな巨人”に贈る身長論
選択に正解はない、ジュニア選手へ「自分で決めたことは一番後悔しない」
平均身長が低い日本人。高身長が絶対的に優位なバスケットボールで、自身と同じような境遇の子どもたちは多くいる。チーム事情と合わず、自分のスタイルを貫くべきか迷う選手もいるはずだ。日本のトップに上り詰めたプレーヤーとして伝えられる言葉とは。富樫はこう語ってくれた。
「僕はシュートなどオフェンスが長所だと思ったのでやり続けましたが、全ての人がそうじゃないと思います。他の部分が長所の人もたくさんいる。自分が『こういう選手になりたい』という思いを持って続けることが一番大事なのかな。
スタイルを貫くのか、チームに合わせるのか、正解はないと思います。ただ、自分で決めたことは一番後悔しない。僕が凄く意識していることです。小さな事でも、大きな事でも何かを決める時、自分の気持ちに素直になって動くようにしています。僕は今後も自分が一番生きると思うプレーをやり続けたい」
2014年、田臥勇太に続く日本人2人目のNBA契約選手となったが、デビューはならなかった。NBAで活躍する八村塁(ウィザーズ)は203センチ。富樫は「俺だってその身長があればNBAに行けたのに」と冗談半分で言ったことがある。そして、包み隠さず素直な笑顔でこう続けた。
「でも、鼻で笑われて終わりました(笑)。憧れるというか、そりゃ大きくなれるんだったらなりたいなって未だに思います。小さくてよかったと思うことはないですね、本当に」
身長という“運命”には逆らわなかった。でも、自分の気持ちに素直になってバスケをしてきた。その選択が1億円の価値を生み、見る者を魅了している。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)