はだし走りはOK?コーナーはどう走る? 陸上トップ選手が答える「運動会のギモン」
コーナーの上手な回り方は? ポイントは「見る方向」にあり
前回の特集では、子供の走りにとって、いかにスタートが大事になるかを解説。正しいスタートの構え方をレクチャーしたが、スタートを構える際、前に出すべき足はどちらなのだろうか。これについて、伊藤氏は「どちらでも大丈夫です」としながら、それでも気になる保護者向けに前足の見極め方法をオススメしてくれた。
「スタートは前足で地面を押して、後ろ足は前に持ってくるだけです。片足でジャンプをしたときにより跳べるほうの足が前足であることが望ましい。走り幅跳びなどでどちらの足で踏み切ると跳べるのかを確かめてみるといいと思います」
一方、小学生世代の駆けっこ教室でよく出る質問が「コーナーの回り方」だという。特に、都心の学校を中心に狭い校庭が多くあり、直線ではなく、100~150メートル程度のトラックを走る学校も多い。特に、保護者リレーに出場するお父さんやスピードに乗りやすい高学年は、コーナーで膨らんだりして減速してしまう例もある。
伊藤氏は「コーナーの走り方は特別に何かを変えた方がいいと思われていることが多いですが、そんなに考えすぎる必要はありません。みんな、内側に傾いた方がいいと思いがちですが、そうすると、姿勢がつぶれて崩れやすくなり、減速することがあります」と前置きした。その上で秋本氏は「見る方向が大事です」と説く。
「例えば、自転車は曲がる時、どうするか。曲がる方向を見ると、自然と進行方向に体が向く。それと一緒です。コーナーの大きさにもよりますが、コーナーの出口を見るようにすると走りやすいと思います」
伊藤氏も「視線を10メートルくらい前に置き、視線の先を常に更新していくような形で走るとスムーズにコーナーを回れると思います」と付け加えた。