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アスリートの遠征前5つの準備ポイント 迫るパリ五輪、外食には取り返しのつかない落とし穴

飛行機内の過ごし方で気を付けるべきポイントは?

【4】自炊の場合は事前にメニューを組む

 自炊の場合、練習後、いちいちメニューを考えて作るのは疲れます。事前に何パターンかメニューを決めておくと手間が省けますし、現地で作り置きすることも可能に。例えば朝食は目玉焼きとご飯と味噌汁、昼食はサンドイッチとサラダチキン、夜はカレーライスなど。もちろん、コンディションによってアレンジや変更をするのはOK。とにかくベースとなる献立を立てておくだけで、心の負担が減ります。

【5】持参すると便利な食品・道具

 長期間の大会、遠征の場合、炊飯器を持参する選手も多いのですが、荷物が多くて大変な方は、キャンプ用の飯ごうや簡易調理器を活用しましょう。また、作ったサンドイッチなどを持ち歩いたり、余った料理を保存したりするためのラップやジップロックのような保存袋などがあると非常に便利。現地のスーパーでも購入できますが、海外慣れをしていない選手は日本から持っていくと安心です。

 最後に、遠征先に向かう飛行機内での過ごし方について。

 海外遠征は飛行機の移動中から始まる(厳密には移動前から食事や睡眠時間を調整します)と考えます。

 まず、機内は非常に乾燥しているので、水分不足にならないよう、水分補給をしっかり行うこと。飲みなれた水やスポーツ飲料を持ち込むとよいでしょう。機内サービスの飲料を飲む場合は、100%果汁のジュースを。コーヒーやお茶は利尿作用があるため、脱水を助長する可能性があります。飲みすぎには注意しましょう。

 それから、アスリートの場合、機内食だけでは食事の量が足りないため、必要に応じておにぎりやパン、ナッツ類などの補食を持ち込むと安心です。

 また、移動中は体内時計を整えることもコンディショニングの重要ポイント。遠征先の国の時刻を考え、できるだけ時差の影響が軽くなるよう、機内で寝る時間や食事を摂る時間を調整しましょう。

 自分たちでしっかり食事の準備を行うことは、試合でパフォーマンスを発揮できるかどうかのカギとなります。今回、紹介した準備を行うだけでも、現地で「食べられる物がない!」と慌てることがなくなります。是非、実践してみてください。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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