[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

アスリートの遠征前5つの準備ポイント 迫るパリ五輪、外食には取り返しのつかない落とし穴

遠征前の準備ポイント5つ

 では、具体的に、遠征前の準備のポイントを挙げていきましょう。

【1】食事情・食環境の情報収集をする

 慣れない土地では、普段、食べ慣れたものを食べられると、心身のコンディションを整えることにつながります。宿泊先で食事が提供される場合も自炊の場合も、現地の日本食事情を事前に把握しておくと安心です。

 利用する旅行会社のほか、渡航経験者、現地の大使館に問い合わせて情報収集をする。ネット検索で宿泊先の近くにある安心・安全な食材が手に入るスーパー、日本食が手に入る食品店の情報をキャッチしておきましょう。

 ホテルで食事が提供される場合も、旅行会社に提供される食事メニューを問い合わせておくと安心です。

【2】入手可能な飲料水をチェック

 衛生面の心配があるため、海外の遠征先ではペットボトルの水を購入し、利用するのが基本です。購入・利用する際は、ボトルの蓋が汚れていないか、しっかり閉まっているかもチェックしましょう。日本人はミネラル成分が低い軟水(WHOの分類ではミネラル成分の含有量が60mg/L未満)を飲みなれているので、現地で入手可能な軟水もチェックしておくとよいでしょう。

【3】持参する食品リストを作る

 遠征先によっては、日本食が手に入る保障がないので、日本から持っていけるものは持っていくことをおすすめします。食べ慣れた食品や日本食が現地で何も手に入らないことも想定し、自分は何を持っていけば安心できるのか、何を食べればリラックスできるのかを考え、持参する食材リストを作りましょう。

 ただし、日本から国外に渡航する際、国によって持ち込みが禁止されている食品があります。事前に各国の検疫体制について調べることも忘れずに。

 最低限、持参したいものは以下の4つです。

○主食

 地の食事が合わないことで食が進まないと、大会や合宿中、体重が減少します。それを避けたいので、炭水化物を含む食品を持参しましょう。選ぶポイントは携帯に便利で軽いもの、そして自分が「美味しい」と感じるものであること。ただし、せっかく持っていっても口に合わないと食べなくなるので、事前に味見をしておきましょう。ご飯は白米やレトルトのパックが定番ですが、アルファ米やフリーズドライの製品もおすすめ。そばやうどんは乾麺にします。いずれもお湯を沸かせば食べられます。

○主菜

 たんぱく源はツナの缶詰やサーモンあたりは比較的、海外でも手に入りやすいので、持っていくのは鯖缶や秋刀魚缶、焼き鳥缶あたりがおすすめです。また、牛丼や親子丼のレトルト食品やフリーズドライ食品などもあると便利。

○便利食材

 ご飯がすすむ、ふりかけやお茶漬けの素やフリーズドライの野菜、カットワカメは必携。フリーズドライ野菜や海藻は味噌汁やスープに加え、手軽に野菜が補給できます。また、熱湯で戻してから醤油を少しかければ、煮びたし風の副菜に。他、持ち歩きサイズの醤油、めんつゆ、だしの素、鍋スープの素、からし、わさびも用意しておくと便利。

○好物のお菓子

 普段、食べているようであれば、心の栄養として好きなお菓子も持参を。緊張の強い大会期間は、お気に入りのお菓子を食べることで、試合にもリラックスして臨めます。「太るのでは?」と心配される選手もいますが、大会中、気分転換に少量食べたからといって、急に太ることはないので大丈夫です。特に煎餅などの和菓子やグミは、低脂肪かつエネルギー源になります。

1 2 3

橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集