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世界で進む「食と栄養のサステナブル」問題 日本のアスリートが取るべき行動は

Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「食と栄養のサステナブル」について。

今年は肉の代わりに植物性食品を取り入れるのがトレンドだった
今年は肉の代わりに植物性食品を取り入れるのがトレンドだった

公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「食と栄養のサステナブル」

 Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「食と栄養のサステナブル」について。

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 10月、アメリカ・フィラデルフィアで行われたアメリカ栄養士会の年次総会FNCE(Food & Nutrition Conference & EXPO)に出席しました。年に1度開催されるこの総会では、世界の食の動向や課題、栄養に関する専門的なセッションが開催され、数多くの食品・飲料関連企業・団体がブースを出展。食と栄養の最先端の情報やトレンドが収集できる場とあって、世界中から1万人近い栄養士、医療従事者、メーカーらが参加します。

 総会に参加したアメリカの栄養士らに話を聞くと、今年はなんと言っても“Plant based(プラントベースド)”がメガトレンド。「肉の代わりに豆や種実、穀物などの植物性食品を積極的に取り入れましょう」という動きです。展示ブースで紹介されている食品も、牛乳の代用として豆乳やアーモンドミルク、ピスタチオミルクが並び、また、食物性タンパク質の豊富な豆・豆製品、種実類、古代穀物(キヌア、ソルガム)などを活用した、パンやパスタ、パテ、ヨーグルト、クッキーからスナック菓子まで、あらゆる食品が揃い、非常に充実していました。

 植物性食品が注目されている背景にあるのは、地球温暖化に伴う環境破壊や、急激な人口増大に伴う世界的な食糧不足(主に動物性タンパク質)への危惧です。そのため、欧米では牛肉の生産や消費を減らし、輸送による温室効果ガスの排出を抑えられる、地元の食材を地元で食べようという地産地消の動きも大きくなっています。

 以前もこの連載で触れましたが、近年は代表チームやビッグクラブ、トップアスリート間で、食事に植物性食品を取り入れたり、ベジタリアンを選択したりする動きがあります。これは宗教上あるいは個人の嗜好はもちろんのこと、単なる「流行」ではなく、現在、世界各国が取り組むサステナブルティな地球環境を実現する活動の流れからきています。

 トップアスリートらの言葉や行動は影響力が高く、メッセージ性が強い。ですから、国際オリンピック委員会(IOC)などの大きな組織や有名選手を抱えるクラブは、世界の動向を素早くキャッチし、サステナブルな考え方を食と栄養の規範の一つとして発信もしています。日本のスポーツ界も国際社会の一員として、今後、どのようにこの課題に取り組んでいくかを考える時期に来ていると思います。

 では、具体的にアスリートたちはどんなアクションを起こせばよいのでしょう?

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJリーグ横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けてのスポーツ食講座なども行う。著書に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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