「100m10秒61」世陸史上最速女王を変えた“練習以外”の習慣 家に帰ったら…1/100秒の世界は「栄養も最良で」
陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられている。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を届けていく。第4回は、女子100メートルで初優勝を果たしたメリッサ・ジェファーソン=ウッデン(米国)。14日の決勝では世界歴代4位となる10秒61(追い風0.3メートル)で大会記録を更新した。“世界最速女王”になれた理由には徹底した食事管理など「練習以外の時間の使い方」があった。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)

東京世界陸上連載「東京に集いし超人たち」第4回
陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられている。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を届けていく。第4回は、女子100メートルで初優勝を果たしたメリッサ・ジェファーソン=ウッデン(米国)。14日の決勝では世界歴代4位となる10秒61(追い風0.3メートル)で大会記録を更新した。“世界最速女王”になれた理由には徹底した食事管理など「練習以外の時間の使い方」があった。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)
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ゴール直後、東京の夜空に響く喝采が一瞬ざわめきに変わった。「10.61」の隣に灯る「CR」の2文字。大会新記録の瞬間を目にした5万7528人の興奮は最高潮に達した。世界歴代4位の速さで100メートルを駆け抜けた新女王。「まさしく夢に描いていたものだわ。この瞬間のために本当に懸命に努力してきたの」。24歳のジェファーソン=ウッデンは、飛び跳ねながら喜びを爆発させた。
昨夏のパリ五輪で銅メダルを獲得。「パリが終わって、自分のシーズンにとても満足して幸せだった」。一度達成感を味わってしまい、いかにモチベーションを保つか。助けになったのが夫の声かけだった。「大丈夫? 今年の準備はできている? 今年は何を目指すの?」。目標を整理するために2人で本を買い、達成したいことを記し始めた。
やり切ったと思えるほど充実した昨季から、さらに次のレベルへ。気持ちを高めるのは簡単なことではない。だが、世界の頂を目指す旅をスタートさせた。ベースはもちろん毎日の練習。だが、「大きなゲームチェンジャー」になったのはトラックの外での過ごし方だった。
「練習が終わって家に帰ったら、ちゃんとテーブルについて適切な食事を取るように心がけているの。栄養についてもシェフと一緒に最良の状態でいられるように気をつけている。トラックでしっかりとパフォーマンスを発揮するために必要なピースがカチッとはまらないと、求めている結果は得られないから」
100分の1秒で明暗が分かれる世界。勝負は食事も含めた私生活の規則正しさから始まっている。3、4週間に一度のペースでレースに臨み、その間に練習を積む。「完璧な段取りだった」と自負するスケジュール管理ができたのも、練習以外の時間と真剣に向き合ったから。「より多く自問自答し、より細部にまで注意を払う」。妥協せずに積み重ねた日々の先に、世陸史上最速の称号が待っていた。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)
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