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世界のトップアスリートが陥る栄養問題 日本食の印象の影響か、スポーツ大国・米国が米を重宝する理由

米がリカバリーのエネルギー補給にも優れているワケ

 実際、米は低脂質で消化吸収のスピードが速く、たんぱく質も含まれているため、運動前や運動中、運動後のリカバリーのエネルギー補給にも優れています。

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 また、ジャヤラットさんがサポートする選手たちが食べているカルフォルニア米は、日本の米と異なりオイルやドレッシングとの相性がよいというのが特徴。サラダ、スープ、炒飯など料理のバリエーションも広く、「選手が飽きずに食べられる」という利点があります。

 アスリートにとってバリエーションが多いということは非常に大切です。なぜなら、合宿や大会期間中は特に食事がマンネリ化しやすく、肉体的・精神的なストレスも大きい。そのため食欲が落ちやすい。エネルギーをしっかり摂るには、「飽きずに食べられる」ことがとても大事だからです。

 ジャヤラットさんの話のなかで面白かったのは、米を使った料理は「インスタ映えする」という話。ライスサラダのような「映える料理」を出すと、選手たちも写真を撮り、それをSNSにアップしながら、喜んで食べるといいます。昔から「食欲をそそるには見た目も大事」と言われていますが、SNSと紐づけたアプローチに、新しさを感じました。

「アスリートたちの最優先課題は結果を出すこと。皆、自分のパフォーマンスを最大限発揮するための食材を選んでいる」とジャヤラットさん。

「私の見ている選手たちは既にトップレベルなので、伸びしろが大きいわけでも、今後、急激に競技力が急激に向上するわけでもありません。でも、メダルの色は最後の1%、0.1%の向上で変わってくる。彼らがやっていることは『Push the limit』、人間の限界に挑むような挑戦です」

 アメリカのトップ選手たちは競技力向上のために、如何により良い食材を選び、自分に合った適量や調理方法を習得し、食事を大事にしているのか。このジャヤラットさんの言葉から、ひしひしと伝わってきました。

(続く)

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)


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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJリーグ横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けてのスポーツ食講座なども行う。著書に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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