[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

プロ野球選手は試合直前に何を食べている? 2軍球団に食事提供、シダックス栄養士が伝えるお米の役割

選手のエネルギー消費に応えるため、30人に対し50人前を用意【写真:シダックス提供】
選手のエネルギー消費に応えるため、30人に対し50人前を用意【写真:シダックス提供】

ゲーム直前…選手の心情にも配慮「食事でチャレンジする必要はない」

 最後に、意外と重要なのが「おいしく食べること」だという。「口に入れてもらえないと始まらないんです。温かいものは温かく、冷たいものは冷たく。これから暑い時期に、いかに食べやすくするかが課題です」。

 メニューを大きく変えないのは“定番”を用意するという意味もある。「スポーツ選手はゲンをかつぐというか『これを食べる』と決めている人もいるので。試合前に、食事でチャレンジする必要ってないじゃないですか。精神的な安心感も、ひょっとしたらパフォーマンス向上につながるかもしれません」と、選手の心の揺れも最小限に抑えようとしている。

 5月には本拠地の新潟を訪れ、選手への栄養指導を行った。若い選手が多いチームだが、NPB球団のように寮で食事を提供するシステムはない。体づくりが個々の意識に左右されてしまうのは弱点にもなる。「1人暮らしの選手が多いので、限られた環境では工夫が必要」という山田さんは「調理技術がなくても、できることからやってみましょう」と伝えたという。

「果物を取りましょうと言うと難しくても、今日からオレンジ100%のジュースを飲みましょうと言えば代わりになります。100均でスライサーを買ってくれば、野菜を切れなくても肉野菜炒めはできる。簡単にできることを伝えれば、説得力がわくかなと」

 シダックスには、40年に及ぶアスリート食研究のノウハウがある。野球以外にも、夏冬の五輪で食事を提供した実績も。山田さんは「テンションが上がる食事で勝ってくれればうれしいですね」と日々のメニューに頭を巡らせる。選手にとって食事は大事な体づくりのベースだ。ドラフト指名を目指す若者たちに、何よりの援軍となる。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集