1日の座位10時間超え スポーツ栄養士が見る、新時代の競技「eスポーツ選手」の食生活
スクリーンの前で長時間練習「疲労感を和らげることは非常に重要」
象徴的だったのが、朝食のメニュー。脳のエネルギー源となる主食には、ハイプロテインパンケーキやマッスルマフィン、オートミールを用意。パンケーキやマフィンにはプロテインパウダーなどを加えて高たんぱく質に。
また、オートミールは食物繊維が多く、GI値が低いのが特徴。食後の眠気の防止やエネルギーの持続に優れています。ほか、おかずにはベーコンや卵などが用意され、一日のスタートに炭水化物とたんぱく質をしっかり摂れる献立になっています。
「長時間、スクリーンに向かって練習することに伴う疲労感を少しでも和らげることは、非常に重要」とシェフのタイ氏。ストレスにより、体内の栄養素は消耗されます。そのため、1日3食を通し、バランスのよい食事となる配慮もされているそうです。
また、豆腐をパン粉で揚げたものやビーガン・ラザニアなど、肉を使わないプラントベースド(植物性食品)のメニューを、積極的に出していることも印象的。選手の健康だけでなく、環境への配慮がなされている点は、アメリカらしい取り組みを感じさせます。
eスポーツは新しいジャンルです。選手たちが最高のパフォーマンスを発揮するにどんな食生活が適しているのかは、今後、さらに研究が進むなかで明らかになってくると思います。
そして、eスポーツの世界は選手もファンも非常に若い世代が中心です。トッププレーヤーの姿を通して、子どもや学生が食の大切さを学ぶ、よいきっかけになるかもしれない……と期待をしています。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)