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1日の座位10時間超え スポーツ栄養士が見る、新時代の競技「eスポーツ選手」の食生活

Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「eスポーツ選手の食生活」について。

eスポーツ選手の食生活とは
eスポーツ選手の食生活とは

公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「eスポーツ選手の食生活」

 Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「eスポーツ選手の食生活」について。

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 これまでのスポーツとはまったく異なる競技「eスポーツ」。海外の栄養士から「eスポーツの選手たちもよいパフォーマンスを発揮するために、健康管理をしっかりしている」と聞き、彼らがどんな食生活を送っているのか、その取り組みについて調べてみました。

 eスポーツの場合、身体的な競技特性の一つに「スクリーンの前に長時間、座っている」という点が挙げられます。eスポーツの優れた教育プログラムを持つことで知られる、アメリカ・カルフォルニア大学アーバイン校では、eスポーツ選手に関わる様々な調査・研究を実施。臨床運動生理学者で、大学のeスポーツチームのパーソナルトレーナーを務めるヘイレッシュ・パテル氏によると、大学のeスポーツの選手の1日の座位時間は10~14時間であり、アメリカの成人の平均座位時間(6.5時間)を大幅に超える、とのことです。

 テレビの視聴時間が長くなると、全死因死亡率が高くなり、健康面での様々なリスクが生じることは、オーストラリアで行われた研究によりわかっています。ほか、目の酷使や手首や肩のケガ、世界各国で大会が行われるため海外遠征による疲労など、多くのストレス要因にさらされる環境は、他の競技スポーツと一緒です。

「座っているだけではないか」と思われる方もいるかもしれませんが、選手たちにかかる肉体的・精神的なストレスは甚大です。そのため、多くの選手は20代のうちにキャリアを終え、「燃え尽き症候群」の状態になる人も少なくない、とのこと。以上のことから、運動、質のよい睡眠、バランスの取れた食事、そしてストレス対策のためのメンタルケアなど、欧米のプロチームは選手の日々の健康管理に力を入れるようです。

 例えば、ロサンゼルスに拠点を置くeスポーツのチーム、CLG(Counter Logic Gaming)の選手たちは、1日のうち12時間をパフォーマンスセンターで過ごしています。練習やミーティングのほか、朝は運動やヨガを行い、1日3食の食事もセンターで摂っているとのこと。センターのシェフ、アンドリュー・タイさんはインタビューで、「選手たちは長時間スクリーンの前で過ごすため、エネルギーの持続がカギ。高たんぱく質・低炭水化物の食事を心掛けている」とコメント。炭水化物は重要なエネルギー源であるが、適量を摂れるよう配慮しているそうです。

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJリーグ横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けてのスポーツ食講座なども行う。著書に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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