元競泳日本代表として、長く日本競泳会に貢献した伊藤華英さんが、6月11日(土)に岩手県大船渡市内の大船渡マックスイミングスクールで開催された「東北『夢』応援プログラム」水泳編のイベントに出演。岩手県大船渡市内の小中学生を対象に直接指導し、交流を図った。

　伊藤さんは、2008年女子100m背泳ぎで日本記録を樹立し、北京五輪に出場。2009年には怪我の影響により、背泳ぎから自由形に転向。自由形の日本代表選手として、世界選手権・アジア大会での数々のメダル獲得を経て、2012年ロンドン五輪では自由形の代表選手として2大会連続で五輪に出場した経歴を持つ。

　開会式では、伊藤さんより本プログラムへの抱負が述べられ、子どもたちに世界の泳ぎを伝授。緊張していた子どもたちの表情も徐々に和らぎ、コミュニケーションも蜜に取られていた。伊藤さんは「一生懸命やる」「絶対に諦めない」という目標を伝え、早く泳ぐための「きれいな泳ぎ方」を指導した。

　伊藤さんは、本イベントで生徒の個々のレベルを把握。来月から約8ヶ月間、遠隔指導ツール「スマートコーチ」を使い、現地コーチが撮影した子どもたちの動画を確認し、改善点やアドバイスを送りながらレベルアップを図っていく。そして、来年の3月には再び伊藤さんの前で、成長した姿を披露する成果発表イベントも実施される。

　水泳指導の後には、「わたしの将来の夢」「未来のわたしの町をどうしたい？」「一年後の約束」を『夢宣言シート』に書き込み、それに対して伊藤さんが「夢応援マイスター」として署名する宣言式も行われた。

　それぞれの『夢宣言』の発表が終わり、伊藤さんから子どもたちへメッセージを送った。

「今日で終わりではなく、今日がスタートです。来月からコーチの皆さんが撮影してくれた動画をチェックして、みんなに泳ぎのコツを送っていきます。さっき私の前で宣言した1年後の約束に向かって、1ヶ月ごとに頑張っていきましょう。そして、また来年の3月にみんながどれだけ成長してたかを見に来ます。

　そして、やってみたいと思ったことが自分へのエネルギーになります。ダメな時もがんばれます。水泳だけではなく、たくさんのことを経験して下さい。色々なことに挑戦することで、自分のやりたいことが見えてきます。だから、学校の宿題もしっかりやるんですよ。したいことばかりだけではダメですよ。

　今日は本当にいい時間になりました。来年3月にまた会えることを楽しみにしています。ありがとうございました」

　公益財団法人東日本大震災復興支援財団の協力のもと、本イベントを開催した、メイワエアロビクスクラブの遠藤さんは、「日本を代表して世界と戦ってきた伊藤さんにご指導いただけるなんて夢のようです。私たちコーチやスタッフも子どもたちの目標に向かってサポートしていきたいと思います」と目を輝かせていた。

　子どもたちの夢応援、そして地域の思いに応えるべく、伊藤華英さんの夢応援プログラムがスタートした。