元日本代表GK土肥洋一氏がいわきで「東北『夢』応援プログラム」に出演
サッカー元日本代表で現在J2山口でGKコーチを務める土肥洋一氏が16日に福島・いわき市内のいわきFCフィールドで行われた「東北『夢』応援プログラム」に登場。スマートコーチという動画で遠隔指導を行うシステムを通じ、1年間指導した中学生を中心としたGK15人が参加した成果発表が行われた。
「どこかで正解と気づく瞬間が来る」 不屈の元日本代表GKが福島の子供に伝えた言葉
サッカー元日本代表で現在J2山口でGKコーチを務める土肥洋一氏が16日に福島・いわき市内のいわきFCフィールドで行われた「東北『夢』応援プログラム」に登場。スマートコーチという動画で遠隔指導を行うシステムを通じ、1年間指導した中学生を中心としたGK15人が参加した成果発表が行われた。
いわきFCの練習場の冬の夜の突き刺さるような寒さを、福島の若きGKたちの元気溢れる声が吹き飛ばした。
いわきサッカー協会のGK育成プロジェクトと連動する地域密着スタイルを強めて行われた今回の「東北『夢』応援プログラム。04年にJリーグベストイレブンに輝き、日本代表としてワールドカップ(W杯)ドイツ大会に選出されるなど輝かしい実績を残した土肥氏は引退後も数々のGKを育て上げてきた。
「現代サッカーで、GKはフィールドプレーヤーとして同じ仕事を求められる。それでも一番大切なことはシュートを止めること。何事においても基本が大事」
若きGKたちにこう語りかけた土肥氏が選んだ成果発表の項目は6つ。
1.キャッチング・正面ゴロ、2.セービングの基本、3.シュートストップ、4.クロスに反応するタイミング、5.クロスに対するポジショニング、6.クロスからのシュートストップ
「この時期に基礎を固めれば、もっと上を目指せると思います。毎日シュートをどれだけ受けられるか。サッカーは11人のスポーツだけど、GKの枠は1つしかない。日々の積み重ねが試合のディテールで明確に出てしまう」
プログラムではGKとしてのベースアップを目指し、セービングの基本の重要さを再認識してもらいたいというのが狙いだった。
参加者も1年間の成長を実感「セービング、キック、コーチングが上手くなりました」
「シュートに対して逆方向に跳んでるよ!」「自分が今どのポジションにいるか確認する!」
自らシュート、クロスを立て続けに放ちながら、熱く声をかけた。練習を通じて課題を再確認しながら、プログラムは次第に熱を帯びていった。試合形式の練習で雰囲気が最高潮を迎えたところで、1時間半に及ぶ成果発表のトレーニングは終了となった。
参加者は自らの1年間をそれぞれ土肥コーチに報告。いわき市在住の中3のGKは「セービング、キック、コーチングが上手くなりました。まだ上手くできていないことはクロスへの対応と飛び出しです」と笑顔で自己分析した。
そして「自分の課題に向き合って、練習に取り組むようになりました。高校でもサッカーを続けるつもりなので、これからも自分の課題を克服できるように練習に取り組んでいきたい」と声を弾ませた。
参加者の報告に目を細めながら聞いていた土肥氏は、成果発表の最後に次代の日本の守護神候補たちにエールを送った。
「今日色々な話をしましたが、今はすぐに分からないかもしれない。それでも、どこかで正解だったなと気づく瞬間が来ると思います。今日のプログラムを踏まえ、自分でしっかり考えてほしい。試合でも、勉強でも、他の競技でも、何をするにしても毎日の積み重ねがその瞬間に現れる。しっかりと夢に向かって自分が一つのものを突き詰めることが大事になる。皆さん、また会いましょう」
大津高卒業後に日本リーグ入りが決まっていたが、足の骨折で内定取り消しに。その苦難を乗り越え、日本代表に上り詰め、指導者として活躍する“不屈の守護神”ならではの言葉に、子供たちの瞳は輝いていた。
(THE ANSWER編集部)