バスケに熱中できる時間は「人生の半分以下」 米難関大卒、川崎アレンが貫いた究極の文武両道
学歴は「何かアクシデントがあった時の切り札になる」
――スタンフォード大のアメリカンフットボール部のコーチが、インタビューでフットボール部には勉学を優先するため練習をしてはいけない期間があると話していました。バスケットボール部にも、そういった時期はありましたか?
「3月以降の3学期は1日の練習時間が1時間、週3日に制限されるので、そこで授業をたくさん取っていましたね」
――他の大学にも、そういった制限はあるのでしょうか?
「スポーツに力を入れている学校だと、UCLA、USC、UCバークレーは学業のスタンダードが高いですね。そのほかの多くの学校ではスポーツの成績のほうが重視されていると思います」
――部活動に時間を潤沢に使えるチームと互角に戦うため、工夫したことはありますか?
「バスケットボールの時間を有効に使うことです。夏の間はかなり時間を使って個人のワークアウトをしていたし、練習はチーム練習だけでなく個人練習、ポジション練習、スキルワークなど様々に細分化されていて、シーズン中も個人として成長する機会を多く与えられました」
――スタンフォード大でバスケに打ち込んだことは、ご自身の人生にどういう意味を与えたと思いますか?
「簡単に言うと、スタンフォードの卒業証明書を手に入れられたこと自体です(笑)。僕自身にとっても家族にとっても。『スタンフォードを卒業しました』と言える人は世の中にそう多くない。バスケットボール選手として何かアクシデントがあった時の切り札になるというか、それだけで人生の助けになると思います。あとは、オン・ザ・コート、オフ・ザ・コートの両面のタイムマネジメントは今も生きていると思います」
■ロスコ・アレン(Rosco Allen)
1993年5月5日生まれ、ハンガリー・ブダペスト出身。12歳で渡米後も文武両道を貫き、難関のスタンフォード大でバスケットボール選手として活躍した。卒業後はスペインでのプレーを経て、2018年に島根スサノオマジックに加入。2019-20シーズンは群馬クレインサンダースに在籍し、208センチの長身を生かしたプレーでB2リーグ平均24.0得点を記録した。新潟アルビレックスBBで3シーズンを過ごし、今季から川崎ブレイブサンダースに加入。ここまでチーム2位の平均得点をマークしている。
[川崎ブレイブサンダース公式サイト]
https://kawasaki-bravethunders.com/
(青木 美帆 / Miho Aoki)