バスケに熱中できる時間は「人生の半分以下」 米難関大卒、川崎アレンが貫いた究極の文武両道
バスケットボールBリーグの川崎ブレイブサンダースは、前身の東芝時代の栄光を受け継ぐ国内屈指の強豪クラブ。熱狂的なファンがアリーナをブレイブレッドに染め上げ、チームは毎シーズン優勝争いを展開している。そんな名門のリアルな姿に、選手のインタビューやコート内外のストーリーで迫る連載。第3回では、今季からチームに加入したハンガリー人選手ロスコ・アレンの米難関スタンフォード大に進学したキャリアについて話を聞く。後編では「大変だった」と振り返る大学での勉強と、憧れの米大学バスケ選手としてプレーする日々との両立について振り返る。限られた時間を有効に使った経験は、プロになった今にも生きているという。(取材・文=青木 美帆)
連載「川崎ブレイブサンダースNOW」第3回、ロスコ・アレン/インタビュー後編
バスケットボールBリーグの川崎ブレイブサンダースは、前身の東芝時代の栄光を受け継ぐ国内屈指の強豪クラブ。熱狂的なファンがアリーナをブレイブレッドに染め上げ、チームは毎シーズン優勝争いを展開している。そんな名門のリアルな姿に、選手のインタビューやコート内外のストーリーで迫る連載。第3回では、今季からチームに加入したハンガリー人選手ロスコ・アレンの米難関スタンフォード大に進学したキャリアについて話を聞く。後編では「大変だった」と振り返る大学での勉強と、憧れの米大学バスケ選手としてプレーする日々との両立について振り返る。限られた時間を有効に使った経験は、プロになった今にも生きているという。(取材・文=青木 美帆)
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――高校時代、バスケットボールと勉学は両立できていましたか?
「最初は言葉の問題で苦労しましたが、その後はすごく勉強していたわけじゃないですね。宿題をするとか最低限のことをやっているだけで成績が取れていましたから。ただ、宿題をやってからバスケをやるという習慣が身についたのは母のおかげだと思います」
――ハードにバスケットをプレーしたり、ハイスクールライフを楽しんだりすれば、宿題を後回しにしたり、授業中に寝てしまったりということもついついしてしまいそうなものです。そのような誘惑に、どう打ち勝ちましたか?
「僕はアメリカに来た時から『大学バスケで活躍したい』という夢を持っていたので、リクルートに影響する学業成績はしっかり収めようと考えていました。同じような能力の選手がいたら成績が良い選手のほうがチャンスはあるし、逆に能力が少し劣っていても成績が考慮されてリクルートされることもあるからです」
――志望する大学や選手にもよりますが、日本の高校バスケット選手たちはどちらかというと「リクルートされるために競技を頑張る」という感覚のほうが強いと思います。
「アメリカはまったく逆ですね。たとえ史上最強の高校生だったとしても、その大学のイメージを保てる学業成績がなければ入学できないというルールがあります。スポーツに打ち込める時間は人生の半分以下。アスリートとしてのキャリアが終わった後に必ず活きるので、絶対に勉強はしておいたほうが良いと思います」
――ちなみにGPA(評定平均)はどれくらいだったのですか? オールAの4.0が最高値ですよね?
「スタンフォードが決まった時は3.9です。最後の学期に、僕のことが嫌いな先生の宗教のクラスでBを取って3.8になりました(笑)」