英語は“ほぼ喋れず”海外挑戦 「誘惑が多い」日本を飛び出し、断った退路「逆に楽だった」――陸上・橋岡優輝

英語力や日本とのギャップに苦労…「常に忙しなかった」1年間
とはいえ、英語は「全然。ほとんど喋れなかった」と言うように、必要最低限のコミュニケーションが取れる程度。最初の1年間は「常にせわしなかった」という。「ニュアンスの違いで分からない部分もある。深く聞き返すこともできず、最初は大変だった」。拙い英語と身振り手振りで意思疎通を図った。
トレーニング方法や質、日本の陸上界とのギャップにも苦しんだ。「周りが本当に陸上競技で生きていく人たちばかり。競技に対しての甘さがなくなるので、学生の時のような練習の雰囲気や、モチベーションとは全く異なるものだった」と困難な状況に1人思い悩むこともあった。
スポーツ界はボーダレス化が進み、陸上も全国で活躍した有力高校生が米国の大学に進学するケースもある。橋岡が海外挑戦に必要と説くのは時間と適応能力だ。「ある程度コミュニケーションが取れたり、練習に慣れたりすれば、少しは視野が広くなってくる」。厳しい環境に自ら身を置き、得た気づきや財産は陸上にも活きている。

慣れ親しんだ環境を離れ、見知らぬ土地で生活し、挑戦する。簡単な決断ではないように思えるが、26歳の橋岡は「早い段階で1度経験しておくことは大事だと思う」と話す。
「難しいのはコンタクト。どういったコーチに教わりたいのか、探すことも壁になる。今はSNSが普及しているので、コーチがSNSをしていることもある。個人でも、何かつてを探して上手く連絡を取ることが大事。
資金的な部分も問題になってくる。(海外挑戦を)支援してくれる財団に掛け合って、『資金提供してくれませんか』とお願いしてみたり。コーチを探すのも、資金繰りをするのも、自分からトライすることが大事だと思う」
海外挑戦を考える次世代のアスリートに向けてアドバイスを送る橋岡。自身の成長を願う決断はアスリートとして、人としての成長にも繋がるはずだ。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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