目を吊り上げ笑われたアジア人差別 日本では知らない世界を知った羽根田卓也の海外生活
「ジャパニーズ・ストロング・パドラーです」と送った1通のメール
――羽根田選手の場合は具体的にどんな環境作りをしたのでしょうか。
「僕は完全に飛び込んでいきました。行き当たりばったりではないですが、有名なコーチがスロバキアにいて、彼の名前とメールアドレスを人づてにゲットしてメールをしました。『ジャパニーズ・ストロング・パドラーです』と。こういう者で、何月から行きたい、あなたに指導してもらいたい、と。そうしたら返信が来て、この日に行くので迎えに来てくださいと、お願いしました」
――日本では得られない経験をすることで、アスリートも海外を経験した選手とそうでない選手で人間性や価値観の違いを感じますか?
「僕が出会った海外を経験している方々は落ち着いていて、良い意味で図太さや強さがあり、自分を持っている印象があります。目的が明確であり、組織、コミュニティに左右されない人も多い。やはり日本とは違う仕組み、空気感、個々のメンタリティーなどが海外にはあります。そういう意味でも海外で得られることは多い。
ただ、いずれ帰国して日本で生活することを考えているのであれば、その海外で得たものを日本で生かすため、自分の中での応用作業が必要になります。やはり海外のものを、日本でそのまま当てはめるのは難しいので。自戒の意味も込めて、常に先を見据え、行動する必要があると思います」
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)