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国立大学から公務員、超手堅いキャリアを手放して目指すNPB 150キロ右腕が悩んだ二刀流「本当にキツくて…」

器用さは早川の魅力であり、課題でもある【写真:羽鳥慶太】
器用さは早川の魅力であり、課題でもある【写真:羽鳥慶太】

「職を捨てるのはもったいないかもしれないけれど…」

 ここが大きな転機となった。「やっぱり野球をやりたいなと思ったんです。職を捨てるのはもったいないかもしれないけれど、1回しかないチャンスですから」。クラブチームの練習は高校のグラウンドを借り、市役所の仕事の前に行っていた。冬にはマイナス10度の室内練習場ということもあった。その後の勤務も当然フルタイム。体力的に両立が難しいと感じていた。

 一大決心の下に、くふうハヤテのトライアウトを受け合格。市役所は今年1月、チームとの契約前日付けで退職した。「北広島は(日本ハムの本拠地)エスコンフィールドができたこともあって、野球が身近になっていて。頑張ってこいというか、応援してくれる感じでした」と、エールを送られての“移籍”になった。

 クラブチームからくふうハヤテへ移り、大きく変わったのが試合数。2軍とはいえ、140試合に及ぶペナントレースを戦うのは初めてだ。登板機会も大きく増えたが、体への負担は気にならないという。

「今のほうが練習量も多いですが、(北海道より高い)気温にやられているだけですね。仕事と野球を両立させるほうがきつかった。野球に集中できるのでそこはあまり気になりません」。さらにNPBの選手を抑える経験を積むことで、自信も重ねている。

「元々ストレートの速さというか、スピードより速く感じると言ってもらえることが多かった。2軍相手でも序盤からファウルをとれたりとか。あとは変化球を練習できる時間が増えて、コントロールも使い方も含めてうまくなったかなと思います」

 前半戦は主に先発で投げたが、後半戦からはリリーフでも起用されている。NPBのスカウトに様々な役割での姿を見てもらうことと、ここ一番での出力を上げるのが狙いだ。

 元日本ハムの中村勝投手コーチは、かつてドラフト1位でプロの世界に飛び込んだ。その目から今の早川を見ると「意外と器用なんですよ。もっと真っすぐで押せばいいのにと思うところでも、変化球を使うことがある」と課題を挙げる。シーズンは残り1か月。最大の武器をどこまで磨けるかが、NPBへのカギになりそうだ。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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