スポーツ名門校か、地元公立校か 神野大地が潰れるリスクを覚悟し、貫いた高校選び
神野が貫いてきた進路選択の軸「強くなれる可能性を感じた方を選択してきた」
「ちょっとだけ頑張ればクリアできそうな目標を立てて達成し、新たな目標設定を繰り返していくと、振り返ったら一歩も二歩も進んでいる。大きな目標だけを見据えて『ダメだな』『届かない』と思いながらでは、進んだ実感ができずに時が過ぎてしまう。そうした小さな積み重ねで、本当に到達したい大きな目標に近づいていくもの。
成功体験が人間を一番強くさせる。成功体験を味わえば、やる気につながり、また頑張ろうという原動力になる。自分自身も、人生において『半歩先の目標』を立てて、それを一つ一つクリアすることで、大きな目標を達成してきたような人生かなと今、振り返ってみて思う。だから、自分にとっての『半歩先の目標』は大切と言える」
中京大中京を経て、青学大に進学した後の活躍はご存知の通り。東京五輪を目指し、9月に控える「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」に向けて調整に余念がない。最後に、神野にとっての「進路選択における軸」は何か聞いた。
「『どうなるか分からないけど強くなれるかもしれない』と『強くはなれないかもしれないけど、安定した環境が得られる』という二択だったら、強くなれる可能性を感じた方を選択してきた。数ある大学から青学を選択したことも、実業団でコニカミノルタを選択したことも後悔はない。それは、中学まで野球をやっていたことも同じ。
陸上だけだったら、個人競技の世界しか知らなかった自分が団体競技を経験し、高校、大学の駅伝というその後の経験に生きていた。野球をやっていたから今があると思うし、その選択に後悔はない。思うのは人生の節目、節目の選択はもちろん、もし今中学生に戻っても同じように中京大中京を選び、同じ人生を歩むだろうということ」
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)