「スポーツのために勉強を捨てないで」 世界5傑の超難関大→陸上で世界2位の才女が思う“引退後の人生”の理想【東京世界陸上】
陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられた。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材した「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開。第18回は「学業とスポーツの両立」。女子200メートルで銀メダルを獲得した、23歳のアミー・ハント(英国)は超名門大学を卒業した秀才スプリンター。病気や大怪我を経て、世界2位の座を掴み取った。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

東京世界陸上連載「東京に集いし超人たち」第18回
陸上の世界選手権東京大会は13日から国立競技場で熱戦が繰り広げられた。2007年の大阪大会以来18年ぶり3回目の日本開催。現地で取材した「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開。第18回は「学業とスポーツの両立」。女子200メートルで銀メダルを獲得した、23歳のアミー・ハント(英国)は超名門大学を卒業した秀才スプリンター。病気や大怪我を経て、世界2位の座を掴み取った。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
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「狩りに行くぞ、捕まえるぞ」
スタートラインでハントは自分に言い聞かせた。立ち上がりは出遅れたものの、最後の100メートルで激走し、2位でフィニッシュ。100メートル女王メリッサ・ジェファーソン・ウッデン(米国)とこの種目3連覇を狙ったシェリカ・ジャクソン(ジャマイカ)の2強に割って入り、銀メダルを獲得した。
白人選手で唯一の決勝進出から、一気に表彰台へ。「番狂わせを演じたわ」。電光掲示板の上から2番目に「Amy HUNT」の名前を見つけると、口をあんぐりとさせ、信じられないといった表情は、数年間にわたる苦労を物語っていた。
2019年に行われたジュニア大会で200メートル22秒42をマークし、女子18歳以下の世界記録(当時)を樹立。翌年、世界的ファッション誌「ヴォーグ」の「世代を代表する顔」の1人に選出されるなど、陸上の枠を飛び越え、人気も知名度も急上昇。そして同年、母国のケンブリッジ大に進学を果たした。
英国の高等教育情報誌「Times Higher Education」が発表した「世界大学ランキング2025」で5位にランクインする超名門大。夢見たキャンパスライフだったが、現実は容赦なかった。
学業に追われ、夜更かしが増加。カフェインの過剰摂取で体調不良に悩まされ、毎学年末に中退を考えた。さらに2022年2月、練習中にアキレス腱を断裂。手術を余儀なくされ、陸上への情熱は消えかかった。
「努力する価値がある。続けろ。あなたには何かがある」
どん底にいたハントは、自分自身にこう語りかけた。「自分の才能を信じ、進み続けたことが大きな助けになった。絶対的で狂気じみた信念を持つことができたの」。強い意志で逆境の中を歩み続けた。
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