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スポーツトレーナーの職業に求められる資格、能力 先輩2人が推奨「絶対に向いている」興味の中身

アスリートやスポーツ愛好家、そしてボディメイクや健康維持の目標を持つ人たちまでをサポートするスポーツトレーナー。近年は一般の人々の健康志向の高まりにより、活躍の場も拡大。将来、トレーナーを目指す学生も増えている。そこで、THE ANSWERでは様々な現場で活躍するトレーナーたちをフィーチャー。今回はトップアスリートに関わる二人のフィジカルトレーナーが前後編で対談。後編では学生スポーツからトレーナーに求められる資格や能力などを中心に届ける。(前後編の後編、聞き手=長島 恭子)

フィジカルトレーナーの第一線で活躍する中野ジェームズ修一さん(左)と泉建史さん【写真:中戸川知世】
フィジカルトレーナーの第一線で活躍する中野ジェームズ修一さん(左)と泉建史さん【写真:中戸川知世】

トップアスリートに関わるフィジカルトレーナー対談 後編

 アスリートやスポーツ愛好家、そしてボディメイクや健康維持の目標を持つ人たちまでをサポートするスポーツトレーナー。近年は一般の人々の健康志向の高まりにより、活躍の場も拡大。将来、トレーナーを目指す学生も増えている。そこで、THE ANSWERでは様々な現場で活躍するトレーナーたちをフィーチャー。今回はトップアスリートに関わる二人のフィジカルトレーナーが前後編で対談。後編では学生スポーツからトレーナーに求められる資格や能力などを中心に届ける。(前後編の後編、聞き手=長島 恭子)

 ◇ ◇ ◇

泉「話は変わりますが、私が中野さんを知るきっかけは、青山学院大学陸上部・長距離ブロックでの仕事です。今年の箱根駅伝も、大変感動しました! 中野さんが初めて青学を見るようになったとき(※)、準備運動から補強トレーニングまで一新され、注目を集めましたよね。私はその活動を拝見し、改めて我々の仕事の大切さを感じました」

(※中野氏は2014年4月、長距離ブロックのトップトレーナーに着任。15年1月の第19回箱根駅伝で青学大は初の総合優勝を飾った)
 
中野「そうだったんですね! 嬉しいです。ありがとうございます」

泉「今、中野さんは青学大に、どのぐらいの頻度でサポートに入られていますか?」

中野「現在、青学は1週間に3日間、フィジカルトレーニングを行っています。そのうち、我々がサポートしているのは2日間。主に主力選手や怪我をしている選手を中心にパーソナルトレーニングで、私だけでなく、弊社の2名のトレーナーと分担しています。パーソナルトレーニングがつかない主力以外の選手は、我々が選手個々に組んだメニューを自分自身でやってもらっています」

泉「おお、すごい。やはり主力選手ともなると、個別にサポートが入るんですね」

中野「ただ、私はいつも選手たちに『自分からストレッチやアイシングにしっかり取り組むことが何より大切だよ』と、口をすっぱくして伝えています。トレーニングの成果を出すためにもっとも大切なのは、日々のセルフコンディショニングです。青学にはケア専門のトレーナーさんもいますが、マッサージの予約はセルフコンディションを行っている選手しか入れられない、というルールを作っています」

泉「青学のセルフコンディショニングの方針は、私の見ている日本代表選手と同じです。自分の体は自分でケアし、そのうえでスタッフがサポートする流れが出来ています。

 今では、準備運動を怠るとケガの発生率が20~50%程度高くなるという研究結果も示されています。ただ、日本のスポーツ界で『セルフコンディショニング』という考え方が重要視されるようになったのは、ここ10年前後の印象です。スポーツ科学の発展とともに教育につぎ込める時間も増えてきたことで、一部だけでなく様々な競技でやっと浸透してきた、という状況です」

中野「そうですね。青学のトレーナーに着任した2014年当時は、大学に限らず、陸上界全体をみても、準備運動やセルフコンディションの重要性は浸透していませんでしたから」

――言われてみると以前は運動前後のケア=トレーナーにマッサージをしてもらうこと、という感覚が当たり前だった気がします。

中野「実際、選手にも『トレーナーはマッサージをしてくれる人』と思われていましたし、今でもそう思っている選手は多いですよ。特に学生の場合、学業が本分です。そのうえで、1日2部練習、3部練習をこなさなくてはならない。セルフコンディショニングを行わずに、これだけハードに練習やトレーニングを繰り返していれば、どんなに若く、頑丈な選手でもケガを引き起こします。それでは、よい結果を得られません」

泉「強度が増したりすると気づかぬうちに疲労が蓄積し、突然、動けなくなったり、ケガをしたりしてしまう。体が元気だからこそ、過信せず丁寧にセルフコンディションを行う時間が必要なんですよね。セルフコンディショニングが大切なのは、一部のトップ選手に限りません。スポーツを始めた頃から子どもたちに対し、自分で出来るケアをやっていこう、と意識づけを行っていく必要があると思います」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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