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夢は公務員だった159km右腕「本当にやりたいことがなくて…」 ドラ1候補・中村優斗が覚醒した“隔離部屋”

中村の豪快な投球フォーム。コロナ禍の隔離された環境で生み出された【写真:羽鳥慶太】
中村の豪快な投球フォーム。コロナ禍の隔離された環境で生み出された【写真:羽鳥慶太】

コロナ禍とともに始まった大学生活…“隔離部屋”で球速アップ

 誘い通り愛工大に進んだ。ただ1年生だった2021年はまだまだ新型コロナ禍の真っ最中。公式戦は行われていたものの、合宿所では選手同士の接触も禁じられる状況だった。通常は2人部屋のところが1人部屋となり、全体練習もなし。思い描いていた大学生活とは全く違った。

 それが飛躍のきっかけとなるのだからわからない。「僕らは“隔離部屋”と呼んでいたのですが、とにかく自分の部屋でひたすら筋トレや柔軟の繰り返しです」。禁が解けた秋、直球の最速は151キロまで伸びていた。もしコロナがなかったら…「今ごろ、ここ(大学代表)にはいなかったかもしれませんね」というのは心からの思いだろう。

 中村は今年3月、欧州代表と戦う侍ジャパンのフル代表に初選出され、1回無失点と好投。京セラドームで時速157キロを叩き出し注目された。7月2日には、大学ジャパンを激励に訪れた井端弘和監督と再会し「ずっとスピードが出ていてすごいねと言われました。(今秋行われる)プレミア12の代表に入りたいという話をしました」。欲がなかった中学生を変えた野球。今は最速160キロの看板とドラフト1位でのプロ入りという夢に向かって、ひたむきに努力を続けている。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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