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社長になり、五輪で銀メダルも獲得 女子バスケ日本代表主将の確固たる「キャリア観」

東京五輪では銀メダル獲得に貢献した【写真:Getty Images】
東京五輪では銀メダル獲得に貢献した【写真:Getty Images】

日本では稀な“二足のわらじ”「将来を考えて行動することも大事」

 現役選手ながら代表取締役社長。日本では異色の“二足のわらじ”を履くが、「自分のやりたいことをストレスなくできる体制を整えただけなので、本当に楽しめているし、苦ではありませんよ」と笑顔を浮かべる。思い切った人生の選択をした背景には、髙田の確固たる「キャリア観」がある。

「アスリートの引退後は“セカンドキャリア”と言われますが、自分自身は人生を一つのキャリアだと考えて『将来こういうことをしたいから、今の時点ではこれをやっておいた方がいい』と逆算しながら過ごしている部分がある。なので、引退してから『何をやろうかな』とイチから考えるのではなく、今からできることを積み上げていきたいんです。自分は引退した後もバスケットボールやスポーツに携わっていたいと思うので、今も楽しみながら、そして将来を楽しむために会社を立ち上げた部分が大きいですね」

 海外では、現役中から競技と真剣に向き合う一方で、引退後の人生に向けて事業を手掛けたり、学校に通ったり、他競技・他業種との交流を深めたりするアスリートは多い。日本では、これまで現役中は競技にのみ専念することが美徳とされてきたが、その傾向も少しずつ変化。競技人生を見つめる目と、やや俯瞰した位置から人生そのものを見つめる目を合わせ持つことが大切だという声も多く聞かれるようになった。そんな中、トップアスリートの髙田が始めた取り組みは、新しいモデルケースともなり得る。

「今まで先輩方を見てきた中で感じたのが、プロではなく実業団という形で競技を続けていると、引退した途端に今までバスケットボールをやってきた人が一般職に就いたり事務作業をしたりということになる。なかなか慣れないことですし、年齢を重ねた中で学ばなければいけないこともたくさんあって、色々な意味で難しいんですよね。

 頭がいっぱいになってしまったり、時には仕事に行きたくなくなってしまったり。他競技でもそういう姿をたくさん見てきたので、自分は引退後も本当にやりたいことを仕事にできたらいいなと思ってきました。もちろん、今、自分が置かれている状況と真剣に向き合うことも大切ですが、将来を考えて行動していくこともまた、すごく大切なことだと思います」

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