プロか、アマか ボウリング石本美来が選んだ「お金では買えない」海外での経験
中学生の時に日本代表に選ばれて以来、ボウリング界では常に世代のトップを走り続けてきた石本美来(JFEスチール)。2018年にはインドネシアで開催された第18回アジア競技大会のマスターズ戦女子で、日本人初となる優勝を飾る快挙を成し遂げた。「自分でもちょっとビックリ」と驚くが、選んだ道が間違いではなかったことを証明する結果でもあった。
2018年のアジア競技大会で日本人初の快挙を遂げたトップボウラーの選択
中学生の時に日本代表に選ばれて以来、ボウリング界では常に世代のトップを走り続けてきた石本美来(JFEスチール)。2018年にはインドネシアで開催された第18回アジア競技大会のマスターズ戦女子で、日本人初となる優勝を飾る快挙を成し遂げた。「自分でもちょっとビックリ」と驚くが、選んだ道が間違いではなかったことを証明する結果でもあった。
【特集】日本人初のアジア女王が魅せられた、ボウリングが持つ奥深さと駆け引きの妙 / ボウリング・石本美来インタビュー(GROWINGへ)
ボウリングはレジャーや娯楽として幅広い年齢層に親しまれているが、真剣勝負を繰り広げる競技スポーツとしての一面も持つ。“第2のオリンピック”とも呼ばれる国際総合競技大会「ワールドゲームズ」で正式種目として採用されていたり、4年ごとに世界選手権が開催されたり、世界に目を向けても競技人口の多いスポーツだ。
日本では競技スポーツとしてのボウリングに、2つの道が存在することはご存じだろうか。プロボウラーとして歩む道、そしてアマチュアボウラーとして歩む道、だ。2019年、石本が岡山商科大学を卒業する際も、進む道はプロとアマチュアの二手に分かれた。この時、石本が迷わず選んだのは、アマチュアの道だった。
「例えばアメリカの場合、世界選手権とか大きな試合なると、プロでもアマチュアでもアメリカ代表になれるんです。でも、日本の場合はプロとアマで団体が別なので、日本代表になれるのはアマチュアの選手だけ。私にはまだ、やり残したことがあるので、アマチュアでプレーし続けることを選びました」
プロになると「日本プロボウリング協会」の所属選手となり、主に国内で開催される各種大会に出場して賞金を稼ぐことができる。一方、アマチュアの場合は「全日本ボウリング協会」の管轄となり、日本代表として国際大会に出場することができる。石本の心を決めたのは「もっともっと経験を積みたい」という純粋な思いだった。
「プロだと拠点は国内で、海外に行けるとしてもオープン大会だけ。賞金は稼げるけど、国内が中心になるんです。アマチュアだとお金は稼げないけど、海外に行ける。私はもっと自分を高めるためにたくさん経験をしたいので、アマチュアを選びました。そういう経験はお金じゃ買えないかな、と」