私が「通信制高校」を選択したワケ ゴルフ畑岡奈紗、進路に悩むジュニア世代への言葉
悩める進路選択も「自分が何を一番やりたいのか考えられたら、進む道を決められる」
こうして入学したのが、茨城県に本校を置く通信制高校の翔洋学園高等学校だった。高校ではゴルフ部に所属し、ゴルフの練習に没頭した。
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「高校の時はほとんど毎日クラブを握ったり、練習場に行かなくても自宅で素振りをしたりしていました。ラウンドする時は1日がかりでしたし、練習だけの日でもスイングを変えた時は5、6時間ほど練習することもありましたし、逆に1、2時間で終わることもあったり。何時間やらないといけないって決めるのではなくて、その時の状態によって変えていました」
練習の成果は結果として表れた。高校2年生だった2015年に日本ゴルフ協会のナショナルチームに選ばれると、同年の「IMGアカデミー世界ジュニアゴルフ選手権」では個人と団体でダブル優勝を果たした。さらに、その翌年も同大会に出場すると個人と団体で2連覇を達成。その3か月後には「日本女子オープンゴルフ」での史上最年少優勝を決めてみせた。
高校3年次に翔洋学園高校からルネサンス高等学校に転校したが、ゴルフ中心のスケジュールを組むために、いつでもどこでも学べる通信制高校という軸はぶらさなかった。だが、ゴルフの練習に熱中したあまり、ちょっとした後悔も残っているという。
「練習時間をたくさん取れるので、ゴルフをするためにはすごく良かったと思います。でも、インターネットで調べてレポートを書いたりするんですけど、ずっと練習をしていて、いつの間にか宿題がすごく溜まっていることも時々あって……(笑)。あとは今、海外(米国)で生活し、戦っているので、もっと時間を使って英語を勉強しておけばよかったなと思いますね」
ゴルフ中心に動いていた高校時代を振り返りながら、「普通の高校生活を送って見たかったなっていう気もするんですけど……」と笑ったが、その選択が間違っていなかったことは自分が一番よく分かっている。
「中学3年生の時、通信制の高校に行ってゴルフに専念するって選ばなかったら、今の自分はないと思います」
大好きなゴルフに出会い、ゴルフを極める道を選んだ畑岡は、進路に悩む中学生にこんなアドバイスを送る。
「いろいろな選択肢を見て、自分が何を一番やりたいのか考えられたら、進む道を決められるのかなって思います。いろいろ調べることがマイナスになることはないですし。今、明確に『これになりたい』っていう夢がなくても、興味があることや楽しいなって思うことがあったら、それに繋がるような高校だったり、進路だったりを選んでみるといいのかなと思いますね」
中学生年代は、誰もがみんな大きな可能性を秘めている。自分が好きになること、時になるものとの出会いは、いつどこで訪れるか分からない。そのチャンスを広げ、選択肢を増やすためにも、いろいろなことに挑戦してみるといいのかもしれない。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)