高校のスポーツ留学と地元進学 バドミントン福島・廣田は15歳で2つの道に分かれた
バドミントン女子ダブルスの東京五輪金メダル候補・福島由紀、廣田彩花(丸杉Bluvic)が「THE ANSWER」のインタビューに応じ、次世代のジュニア選手に向け、自身の進路選択について語った。同じ熊本出身で、青森の青森山田にバドミントン留学した福島と、県外と悩みながら地元・熊本の玉名女子に進んだ1年後輩の廣田。それぞれ15歳の時、対照的な道を選択した2人はやがて「フクヒロ」として世界ランク1位に上り詰めた。当時の高校選択の理由と、互いに選んだ環境で得たものとは――。
同じ熊本出身、福島は青森山田に廣田は地元・玉名女子に、対照的だった高校選び
バドミントン女子ダブルスの東京五輪金メダル候補・福島由紀、廣田彩花(丸杉Bluvic)が「THE ANSWER」のインタビューに応じ、次世代のジュニア選手に向け、自身の進路選択について語った。同じ熊本出身で、青森の青森山田にバドミントン留学した福島と、県外と悩みながら地元・熊本の玉名女子に進んだ1年後輩の廣田。それぞれ15歳の時、対照的な道を選択した2人はやがて「フクヒロ」として世界ランク1位に上り詰めた。当時の高校選択の理由と、互いに選んだ環境で得たものとは――。
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競技留学と地元進学。「フクヒロ」と呼ばれるずっと前、同じ熊本で生まれ育った2人は、高校で対照的な選択をした。
地元を離れ、九州から本州最北端の青森に渡ったのは福島だった。きっかけとなったのは中3の時、進路を検討している中で、青森山田の練習を見学したこと。
「一度、練習を見に行かせてもらったんです。そうしたら、なぜか分からないけど、『ここなら強くなれる』というのを自分は思って、青森山田に決めました」
のちの北京五輪女子シングルス代表・廣瀬栄理子、ロンドン五輪女子ダブルス銀メダリスト・藤井瑞希、垣岩令佳らもバドミントン留学した名門に、直感で決めた。
しかし、福島は当時15歳。地元・熊本の学校からも誘いはあり、当初は「その学校に行こうと思っていた」。それなのに、初めて親元を離れ、寮生活になる。普通は二の足を踏んでもおかしくないが、しかし――。
「不安はなかった。勢いというか、『行きたい』という気持ちだけ。『バドミントンで強くなりたい』と思っていたので、それで『ここなら自分は強くなれるんじゃないか』と」
強くなりたい私が、強くなれる場所。バドミントンで成長することを優先順位の一番上に置き、至ってシンプルな論理で決断した。「青森に行って頑張りたい」と両親に伝えた。
福島の1年後輩にあたる廣田は、地元に残った。「県外の学校に行くことも考えてはいました」と振り返るが、迷った末に熊本の強豪・玉名女子でバドミントンをすることに決めた。
もともと、どちらかというと慎重な性格。本人は「県外に行く勇気がなかった」とは言うものの、その代わり、しっかりと目標は決めた。「県で1番になる」と。
変化の少ない環境で競技に集中し、成功体験を得ることが成長につながるというアプローチ。「親は自分が決めたことは何も言わず、応援してくれた。自分は自分で『県で1番になる』という目標を持って高校に入りました」という。
2人が中学3年生で下した決断。実際に、競技留学と地元進学でそれぞれ何を感じたのか。