「完全に遅咲き」のプラチナ世代 JリーグMVP仲川輝人の分岐点となった大学選択
「本当に重要なのは選択した後の自分」、多くのJクラブから誘われる存在に
仲川は在籍4年間で関東大学リーグ1部を4連覇。負けを知らない男のもとには、Jクラブから多くの獲得オファーが舞い込んだ。
結果的にさまざまな理由から横浜F・マリノスへの加入を決めたが、川崎フロンターレからも誘いを受けた。反骨心は無駄にはならなかった。
「フロンターレに育ててもらったという思いは強いです。あの時、トップチームに昇格できなかったからこそ、専修大学に進んで成長できたと思っています。大学では自分を磨く時間を過ごせて、4年という時間は決して遠回りではなかった。選択はとても難しいけれど、本当に重要なのは選択した後の自分です。サッカーでも、パスか、ドリブルか、それともシュートか、判断の連続です。その決断を後悔しないように努力することが大切だと思います」
順風満帆とはいえないサッカー人生が、今では自信の根源になっている。選択を乗り越えた先に、現在の仲川輝人がある。
【「横浜F・マリノス 変革のトリコロール秘史」発売】
仲川が所属する横浜F・マリノスに迫った新刊が3月31日に発売された。クラブ取材歴15年の番記者が、選手・監督・スタッフを徹底取材。堅守のマリノスから アタッキングフットボールへ、J2降格の危機にまで陥ったリーグ屈指の名門は、いかにして変革を遂げ、15年ぶりの優勝を果たしたのか。知られざる変革の「歴史」と「裏側」を深く掘り下げた。
「横浜F・マリノス 変革のトリコロール秘史」(著=藤井雅彦、発行=ワニブックス)
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)