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アフリカに渡った元Jリーガーの執筆コラムvol.2「ザンビア移籍の舞台裏をお話します」

今年1月、ザンビアリーグのZESCOユナイテッドFCに移籍した中町公祐。異例のキャリアを歩む34歳が人生を振り返り、自らの言葉で想いをつづる連載「中町公祐アフリカ挑戦記」。シーズン終了まで毎月届ける全9回、第2回は「ザンビア移籍の舞台裏」――。

ZESCOユナイテッドFCと実際に契約した当時の中町公祐【写真:本人提供】
ZESCOユナイテッドFCと実際に契約した当時の中町公祐【写真:本人提供】

異色の人生を歩む元横浜Mの34歳MFが自らつづる連載「中町公祐アフリカ挑戦記」

 今年1月、ザンビアリーグのZESCOユナイテッドFCに移籍した中町公祐。異例のキャリアを歩む34歳が人生を振り返り、自らの言葉で想いをつづる連載「中町公祐アフリカ挑戦記」。シーズン終了まで毎月届ける全9回、第2回は「ザンビア移籍の舞台裏」――。

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 横浜F・マリノスから受けた2年契約のオファーを辞退し、初の海外挑戦で未知なる地、アフリカに活路を求めた中町。サッカーファンを驚かせたザンビア移籍の裏では、アフリカのクラブならではの様々な困難があったという。当時の舞台裏を今、明かす。

 ◇ ◇ ◇

 11月に入り、ザンビアは雨季のシーズンが到来しています。アフリカの強い日差しはそのままに時折、強い雨がスコールのように降ってきます。四季の有難みや日本の風情を懐かしむ日々ですね。

 チームはここまでリーグ戦10試合を終え10連勝と負けなしです。自分は9月の終わりに腿裏の違和感で離脱し、直近は試合に出ていないのですが、インターナショナルウィーク明けから巻き返しを図って行きたいと思います。

 11月末からはCAFチャンピオンズリーグのグループリーグが始まるので、そこに合わせてコンディションを上げて行きたい所です。さて、日本のJリーグも佳境に入り、ここから選手の移籍が目まぐるしく起こる時期に差し掛かっていきますが、連載の第2回となる今回は私のザンビア移籍の舞台裏について、お話したいと思います。

 まずは一般的な移籍事情について大まかな流れに触れなければなりません。チームの順位や来季戦うカテゴリー、ACLに出場するかなど、置かれた状況によって、補強ポイントやポジション構成は様々。その中で、既存選手への来季の年棒提示、もしくは契約非更新という通達は、シーズンの終わりに通常行われます。

 契約最終年でチームが絶対に手放したくない選手は、クラブが早めに交渉を始める場合もあります。翌シーズンも主力として考えた選手が違うチームに引き抜かれてしまうと編成上、大きな変更を余儀されるためです。ただ、選手というのはやはり、目の前の試合、日々の練習に集中したいもの。そのため、昨今はエージェント(代理人)が大抵ついています。彼らはシーズン中も他チームと接触し、オフシーズンは年俸交渉を代わりに受け持ちます。

 強化部とは毎日のように顔を合わせているので、自分の主張をするだけでは人間関係が崩れてしまう可能性もあります(私は湘南時代、この部分で失敗しました。別章でお話しします)。自分の成績を評価してもらうのはプロサッカー選手の常。なので、こういう場面でエージェントが活躍するわけです。

 私の話に戻します。エージェントを初めてつけたのは25歳だった10年のアビスパ福岡在籍1年目でした。12年にマリノスに移籍する際はエージェントに動いてもらいましたが、マリノスで2年を過ごした後、自分の思いを伝える“自己プロデュースと自分の価値の引き上げ”を他人に任せるのではなく自分でしたいと思い、14年からエージェントを外しました。

 強化部との信頼関係から自分で交渉できるという確信があったのも確か。そういう流れがあり、2018シーズンもエージェントはいませんでした。

 この年は、それまでより満足のいく出場機会を得られていませんでした。マリノスほどのビッグクラブなので、少なからず身の振り方を考えなくてはならない状況。マリノスでキャリアを終えることが自分にとっての理想であり、大きな目標でした。しかし、そんな気持ちを抱えていた時、大きな転機が訪れます。

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中町 公祐

1985年9月1日、埼玉県生まれ。高崎高(群馬)を経て湘南に入団。同時に慶大に入学し、08年から2シーズンは大学でプレー。10年に福岡に加入し、12年に横浜Mに移籍。13年は天皇杯優勝に貢献し、同年のJリーグ優秀選手賞を受賞。翌年から選手会長に就任した。19年1月からザンビアのZESCOユナイテッドFCに移籍。同国ではサッカーと医療でアフリカ地域支援するNPO法人「Pass on」(https://pass-on8.net/)の代表理事を務め、幅広い活動を行っている。174センチ、74キロ。Jリーグ通算341試合出場、35得点。

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